オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の〝百鬼夜行絵巻〟を作り上げている。第213回は「マンホール人」だ。

 マンホールの中に存在する地下社会の住民である。下水が流れている通常のマンホールと違って、鍵がかかっており、簡単に入れない特殊なマンホールが存在するといわれる。このマンホールが地下数百メートルに広がるマンホール人が住む場所につながっているのである。

 地下世界は東京ドームサイズの広さであり、この地球上にいくつも存在する。天井には穴がいくつか開いており、この穴が鍵のかかった特殊なマンホールとつながっているのだ。

 マンホールに落ちた地上の住民はマンホール人となってしまうらしい。体が蛇のように長くなり、深海魚のような白濁した目になってしまうといわれている。足の長さは数百メートルあり、その長い体を使ってマンホールから顔を出して、地上時代の友人を地下世界に勧誘するという。

 筆者に情報提供してくれたAさんは、同級生がマンホールに落ちて死んだ後、奇妙な夢を見た。その死んだはずの同級生がマンホールから顔を出して「地下世界はいいぞ、学校もないし、宿題もない」と言って勧誘してくるのだ。

 結局、地下世界への誘惑は断ったが、後日、同じく同級生の女の子がマンホールに落ちて死亡した。彼女はマンホール人によって誘われたのであろうか。

 幽霊の中には、マンホールに落下する姿を何度も何度も演じてみせる幽霊も存在する。これは「マンホール幽霊」といわれている。

 また最近は、地方ごとの変わったマンホールのデザインを撮影する愛好家が増えている。かくいう筆者の細君も地方取材に同行しては熱心に撮影をしている。中には、マンホールカードを集めるマニアさえ存在する。

 ちなみに、都市伝説においては「マンホールの中に生息するワニ」といううわさがニューヨークで存在する。もともとペットで飼われていたワニが大きくなって手にあまり、トイレに流されてしまった結果、地下でネズミを食べて大きくなったという都市伝説である。