アイドルグループ「仮面女子」の猪狩ともかが17日、ネットで寄せられた「ビジネス下半身不随」「実は歩ける」などの心ない投稿に反論。SNSの健全な使用を呼びかけた。

 猪狩は2018年4月11日、不慮の事故で脊髄を損傷。下半身不随になったが、事故から4か月半後の8月26日に車いすでステージ復帰した。それから6年、車いすに乗ってアイドル活動を続けている。今月13日、X(旧ツイッター)の投稿に対し「ビジネス下半身不随の人が本当に車椅子でしか生活できない人の気持ちわからない」とのコメントが寄せられると「車椅子に座ってること以外は普通の見た目の身体だから、〝本当は脚動くのかも〟と思う人がいても仕方ないとは思ってる。動いたらどれだけ嬉しいか...!!」と返した。そして「”有名になりたくてわざと事故に遭った”と言われたこともあるけど、何かと引き換えに車椅子に乗らないといけない生活なんて絶対したくないです」とつづった。

 別のXユーザーは猪狩の脚が下半身不随の人と比べると、健康的に見えることから「実は歩ける」と疑問を抱いていると投稿。猪狩は、装着型サイボーグHALでの歩行、EMSによるリハビリ様子の動画を添え「〝健常者の脚に見える〟は褒め言葉として受け取ります」と前向きな発信をした。

 猪狩はリハビリについて「分かる人が見れば分かるんですけどね。今は再生医療はケガをしてから3週間以内とかの急性期の方が対象というのが多いんですけど、何年もたって、私みたいに年数が過ぎても治療を受けられるようになった時の為に、筋肉をつける努力をしています。筋肉がないと治療を受けても歩くことが難しい。高齢の方が骨折して入院している間に筋肉が落ちて歩けなくなるケースがある。(筋肉は(再生医療が受けられる時に)必要なんです」と説明した。

 医療の進化により、再生医療で歩けるようになったら?の問いには「医療が発達して『歩けるようになりました!』って動画を出したら、ひねくれてる人は『今まで温めていたんだ』て言ってきそう」と笑った。

 下半身不随により下半身の感覚がない猪狩は、自身のSNSで太もものヤケド、猫に脚をかじられ血まみれになったことを発信してきた。最近では「蚊に刺されても感覚がないのでかゆみを感じない。起きてから気づくことがあります」と夏場の苦労を打ち明ける。また、アイドル活動でペチパン(見せパン)のゴムの締め付けがきつくて、一日を終えると脚にクッキリ跡が残ってたりとか…」と打ち明ける。

 猪狩に対する厳しいコメントは、復帰直後からあった。「『ザ・ノンフィクション』(フジ系=2019年8月放映)直後は多かったんですけど、当時は気にはなっていたんですけど、それを取り上げる余裕がなかった」。ただ、積極的な発信を心がけるようになってからは「ひどい書き込みを見て傷つくだけじゃなく、それすらも肥やしにしようという気持ちになりました」と心境の変化を強調した。

〝ビジネス下半身不随〟と書かれたことには「車いすに乗っている方にも、私みたいに完全に動かせなくて感覚もない。数分間だったら立てる人もいるし、普段は義足と車いすを使い分けるなどいろいろな状態の人がいる。少しは歩ける人を目撃したときに『えっ歩けるの』って思うのはやめてほしい」と理解を求めた。

 またネットへの書き込みについて「掲示板なら見にいかなければいいんですけど、SNSで直接書かれると見ちゃうじゃないですか。人を傷つけるような書き込みをする時に、それを家族とか恋人に見せられるかを考えて送信してほしい。安全圏だと思ってなんでも書けるというのは大間違いですよ」と指摘し「SNSはお互いがハッピーになるように使いましょうね」と呼びかけた。

 今後の目標を「Xのフォロワー10万人」という猪狩。「ユーチューブの更新も止まっているので、どんどん発信していきたい」と力を込めた。