テレビ各局が番組制作においてコンプライアンスの順守に頭を悩ませる中、それをあざ笑うかのようなTBS系連続ドラマ「不適切にもほどがある!」(金曜午後10時)がSNS上でバズっている。一方でフジテレビ系連続ドラマでは、制作サイドが視聴者からの視線を過剰に意識してか、〝剃毛騒動〟が起きていた。
世間では近年、コンプラ意識が高まっているのは周知の通りだ。
これを息苦しいと感じる人もいれば、順守すべきとする人もいてしばしば議論になる中、TBS系「不適切にもほどがある!」がSNS上でバズっている。ややもすれば扱いが難しいコンプラを、主演で俳優の阿部サダヲ、脚本の宮藤官九郎氏がそれぞれコミカルに演じ、描いて笑いに昇華している。
フジもコンプラには十分配慮しているだろうが、過去にはそれが過剰になったか、連ドラの出演俳優に対するすね毛剃毛騒動が起きていた。
芸能プロ関係者は「過去にフジのラブストーリーのドラマに所属俳優が出演したのですが、制作側から『毛がチラ見えすると(視聴者から)クレームが入る』という理由で、すね毛をそるよう指示がありました。肌を露出させるラブシーンがあるわけでもないのに」と明かした。
役柄と毛は全く関係がないものの、この俳優はマネジャーと話し合った結果、仕方なく剃毛して撮影に臨んだという。
テレビ局関係者は「視聴者からのクレームはたった一つでも気にします。ただ、剃毛まで求めると、ちょっと過敏な感がありますね」と話している。
フジでは最近も同局の外部有識者機関でコンプラについて過剰な人権意識は番組をつまらなくすると議論され、SNS上で賛否両論を呼ぶ一幕があった。
それは1月に行われた第533回番組審議会だった。番組審議会は放送法で設置が義務付けられ、番組内容の適正を図るため、各局の役員と外部有識者が議論を実施。この内容は公表され、各局は今後の番組作りに役立てる。
1月のテーマは「テレビと人権」。公開された議事録には「人権意識が強くなりすぎると良い表現ができなくなり、テレビ局の挑戦も締め付けられ、番組がつまらなくなり、世の中から見捨てられてしまうのではないか」などとあった。これがSNS上で「人権を大事にしていない」として騒ぎになり、メディアでも取り上げられた。
各局は日々、番組のおもしろさと適切なコンプラのバランスに頭を悩ませている。












