もっと強くなれ! シンガポールの格闘技イベント「ONEチャンピオンシップ」28日の有明アリーナ大会で、元K―1世界3階級制覇王者の武尊(32)が、ONEフライ級キックボクシング世界王者のスーパーレック・キアトモー9(28=タイ)に無念の判定負け。K―1アドバイザーでもある石井和義・正道会館館長(70)が武尊を分析した。

 序盤に蹴りを浴びながら前に出た武尊が、3ラウンド(R)にボディーのラッシュで見せ場もつくる。だが、鋭いローキックなど効果的な打撃を打ち続けたスーパーレックに主導権を譲り、判定0―3で敗北。試合後は「これ以上は、もう体はつくれません。僕を信じてずっとついて来てくれて、ありがとうございました」と引退を示唆するような言葉とともに号泣し、病院に直行した。

 石井館長は「とてもいい試合だった。武尊くんは相手が誰でも、どんな状況でも必ずすごい戦いになる。まさに名勝負製造機です」と称賛。試合後の言葉についても「本人が常にそういう気持ちを持ってリングに上がっているのは知っているから、気持ちはわかります。でも、僕はまだまだ強くなれると思う」と話した。

 だが、試合内容には「相手の対策ができていなかったかなというのはある」と首をひねる。ローキックを多用する相手に対して、前重心の構えになっていたとして「あれはローキックを蹴ってくださいという構えです。蹴られ続ければ(K―1のように)3Rだと耐えられても5Rだと効いてきてしまう。相手が直前に代わって対策ができなかったことや、気負いもあったのか…」と分析。その上で「あの場合、歩幅を半分くらいにして自分から見て右に回りながら戦ってもよかったんじゃないか。作戦を考えつつ厳しく言える、トレーナーをつけるのもいいと思います」とした。

 それでも「言い換えれば、作戦次第でスーパーレックにも(当初の対戦相手だった)ロッタンにも勝てる。だからこれからの武尊くんに期待したい」と語気を強めた。新生K―1を支えたカリスマの〝次〟に注目が集まる。