ダウンタウンの松本人志(60)が、女性問題を報じた週刊文春と法廷闘争に臨む。吉本興業は原告に加わらないが、疑問点もある。霜降り明星のせいや(31)が同じく女性問題を報じた文春側を提訴した裁判では、吉本も原告に名を連ねたからだ。この差は一体――。

 松本は昨年12月27日発売の文春で報じられた女性問題で名誉毀損されたなどとして、発行元の文芸春秋と文春編集長を東京地裁に提訴した。損害賠償請求額は5億5000万円。対する文春側は記事内容に自信を持っている。

 今回、訴えたのは吉本興業ではなく、松本個人だ。そうなった理由の一つに「利益相反」が指摘されている。報道内容が事実だった場合、吉本興業は将来、松本に対して損害賠償請求を起こす可能性がある。そうなると、同じ弁護士が原告と被告の双方を弁護する形になってしまう。

 だが、本当にそうなのか。というのも、霜降りのせいやが文春と争ったケースでは吉本も一緒に闘っているからだ。

 せいやは2020年6月に文春オンラインで女性トラブルが報じられ、文芸春秋を相手取り、名誉毀損による損害賠償を求めて東京地裁に提訴。22年12月の判決はせいや側を勝訴とし、文芸春秋に330万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

「せいやさんの裁判では原告に吉本も名を連ねました。松本さんの裁判はそうではないので、この差をめぐって不思議がられています」(テレビ局関係者)

 せいやの裁判までの過程を詳しく振り返ると、せいやは文春報道後、東京地裁に記事削除を求める仮処分申請をした。文春側は記事を削除したが、20年10月に「吉本興業の求めや仮処分を受けて取り下げたのではなく、弊社の内規に従って予定通り公開を終了した」と発表した。それでも吉本は同月、「記事は削除されたとはいえ、その内容は到底看過できない極めて悪質」などと批判し、提訴したと発表した。果たして同年12月、せいや側が勝訴した。名誉毀損事件に詳しい弁護士の話。

「せいやさんのケースでは6月に文春で報じられ、仮処分申請の手続きを踏んだ後、10月に提訴したわけです。この間、4か月たっています。かたや松本さんのケースでは昨年12月に報じられ、1か月もたたないうちに提訴した。吉本としてはきっちり事実確認できない中で原告に加わるのは難しいと判断した可能性があります」

 吉本に松本の裁判で原告に加わらなかった理由を取材すると、広報担当者は「係争中の訴訟となりますので、コメント致しかねます」と回答した。