◇川野芽唯(37)福岡支部100期

 2023年はデビュー16年目にしてキャリアベストと言える成績をマークした。年間を通じて7点前後の勝率を維持し、抜群の安定感で結果を出し続けた。A2降格を何度も味わいながら地道に続けてきた努力がついに実を結んだ。

「体で痛いところが出てきたりして前のように乗れなくなった。それで一昨年くらいから考え方をいろいろ変えるようになりました。ペラで違う形にチャレンジしたり。それで調整の幅が広がったと思います。そのすべてがかみ合ってきたのが去年から今年にかけて、という感じです」

 今年の津PGⅠ・レディースチャンピオンでは平凡なエンジンを立て直して予選トップ通過。しかし準優で敗れ、ファイナルは4号艇から2着に終わった。

「え? このエンジンでトップなの?って。まだまだ成長できるし頑張れるって手応えを得ることができたけど、準優はめちゃ緊張していて…。足は言い訳にならない。それでもインなら勝たなきゃいけない。今年は津の準優だけじゃなく、他でもインで飛んだりした。1年通して勉強させてもらったな、と…」

 今年は11優出で2V。エンジン出しにある程度の成果を得た今、必要なのは勝負どころでの決定力となろう。

「自分の性格的に結果が出ても自信を持つってことはないけど、選手としての理想像はしっかり持っています。記念で結果を出し続ける人は走り方の幅が広い。今はターン出口の舟の向かせ方とスピード。ここを特に意識しています」

 スランプを味わったことはメンタル強化にもつながっている。間近に迫った大舞台にも、気負うことなく自然体で臨むことができそうだ。

「気持ちとしてはこの1年の〝おさらい〟ですね。自分も年を取ったというか(笑い)。もちろん楽しみの方が大きいけど、もう空回りすることはないと思う。ターンもエンジン出しもクイーンズを走る12人に大きな差はないと思ってますから。となれば、あとは運。エンジン抽選や枠ですね。運が向いてきたときに、それをつかむための準備をしっかりして、どれだけ自己をコントロールできるかだと思ってます」

 2015年福岡ではGⅠ初優出初Vの離れ業をやってのけた。8年を経て熟成されたワインのように完成度を増した川野が虎視眈々と2回目のティアラ戴冠を狙う。