オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第168回は「超音速じじい」だ。
東海地方のある高校のグラウンドに放課後に現れるといわれている。超音速で自転車をこいで、ドリフトしてくるので姿がよく見えない。その割には姿がじじいであることが分かっている。
高速で移動できないはずの老人が超スピードで移動するということの違和感と恐怖感が一つの妖怪となって形成されたのであろう。
この高速で走る老人というモチーフは、もともとアメリカのハイウエーで広がった都市伝説に起因する。ハイウエーをトラックで走っていたドライバーが老人のヒッチハイカーを無視して数十キロ進むと、再び同じヒッチハイカーがいるというストーリー展開である。
主人公にしてみれば、猛スピードで走っているトラックに追いつくはずのない老人がいるというのが絶え間ない恐怖につながるのだ。
わが国においては「100キロババア」という妖怪が存在し、これが山の峠やバイパスなどに出没するという話が主に語られている。
筆者の友人の中には100キロババアの正体を野生の鹿だと断定している者がいた。確かにスピードだと山道では、圧倒的にヤツらが速いのだ。
この100キロババアがだんだんと進化したのが「ターボババア」「ジェットババア」で、光の速さに追いつく「光速ババア」も現れる始末である。ババア系妖怪は光の速さまで進化したものの、じじい妖怪は超音速までしか進化できなかったようだ。












