この男にセオリーは通じない。格闘技イベント「RIZIN LANDMARK 7」(4日、アゼルバイジャン・バクー)で、鈴木千裕(24)が常識を覆す〝下からのパウンド〟でヴガール・ケラモフ(31=アゼルバイジャン)を失神させ、RIZINフェザー級王座を奪取した。

 鈴木は7月の前戦で、ベラトールのフェザー級王者パトリシオ・ピットブル(ブラジル)と対戦し、1RKO勝ち。大会4日前に組まれた試合で大方の予想を覆し、今年2度目の王座挑戦権をゲットした。

 その勢いで一気に王座取りといきたい鈴木は、1ラウンドからタックルを狙うケラモフに対し、距離を取りつつチャンスを狙う。しかし、右のパンチを受けると、そのまま片足タックルでテークダウンされる苦しい展開。なんとか両脚で相手の腰を挟むクローズドガードでケラモフの攻撃をしのぎつつ、立ち上がろうとする…かと思われた。

 だが、常識を超えた戦いを見せるのが鈴木の真骨頂だった。なんと下からヒジやパンチを叩き込む、重力を敵にまわす攻撃を繰り出す。するとこれがクリーンヒットしてケラモフが失神。レフェリーが試合を止めて鈴木のKO勝ちが告げられた。

 試合後、ベルトを手に歓喜の鈴木は「こんにちは!! チャンピオンの鈴木千裕です」と誇らしげに勝ち誇る。まさかの結末でざわつく会場に向かって「アゼルバイジャンに来て、大好きになりました。人は優しくてご飯はおいしくて、ここで試合できるのがすごく光栄で、勝つことができてうれしいです」と話し拍手を受ける。

 さらに「試合前にパフォーマンスでいろいろ言いましたけど、リスペクトをもっているので。ケラモフ選手、盛り上げてくれてありがとうございます。勝ったので多分ボーナスが出るので、それをアゼルバイジャンの何かに役立てたいので、格闘技だったり、子供にできることがあれば言ってください。ファイトマネーの一部を使ってアゼルバイジャンに還元します」と話すと観客から歓声を浴びた。

 最後に、これで「KNOCK OUT BLACKスーパーライト級王座」との2冠となった鈴木は「キックでチャンピオン、総合格闘技でチャンピオンなんで、二刀流を実現しました!」と絶叫。常識を超える戦いでRIZINの頂点に立った鈴木に、ますます注目が集まりそうだ。