サプリを飲んでいる中高年は多い。だが、医薬品とどう違うのかはあまり分かっていない人が多いようだ。サプリと薬品の違い、サプリの種類や飲むときの注意点などを専門家に尋ねた。

【サプリは薬とは違う】

 サプリは英語のサプリメントの略だ。栄養補助食品と訳され、食品の一種である。

「サプリは、あくまで栄養を補助するためのものに過ぎません。補助する必要がない人はサプリを取る必要はなく、薬品のように症状を治すものと思ったら間違いです」とアドバイスするのは薬品に詳しい元富山赤十字病院薬剤部長・薬剤師の山田勇氏だ。

 薬品は花粉症に抗アレルギー剤を使うなど治療のために使うほか診断や予防に使われる。一方、サプリは医薬品とはまったく違い、治療や予防ではなく、あくまで健康維持のためのものである。

 医薬品が医薬品医療機器法で規制されているのに対して、サプリの法律上の規制は医薬品に比べて緩い。いわゆる健康食品の中でも、①特定保健用食品、②栄養機能食品、③機能性表示食品の3種に限り機能性などの表示が認められている。

 ①は国が効果や安全性を審査し消費者庁が認可したもので、一般に「トクホ」と呼ばれる。②はビタミン、ミネラルが入ったドリンク剤など機能性が栄養医学的に確認済みのものだ。③は機能性の根拠となる文献などを消費者庁に届け出て機能性表示を認められているもの。「トクホは面倒な手続きが必要なため、最近、サプリには機能性表示食品が多くなっています。これはメーカーが機能を届け出るだけで表示できるわけですから、根拠となるデータなどないものが多いのです」と山田氏は指摘する。

 機能性の根拠は社内資料でもいいので信頼性はあまり高くないそうだ。それ以外の一般的な健康食品は効用、効果などを表示できない。

【機能性表示食品の効果は不明なものが多い】

 医薬品の場合は承認申請には効能、効果等の人間による臨床試験や、体内での薬物動態データ等が必要とされる。薬物動態データは、摂取後どれだけ体内で吸収されて効果を表し、どれだけ代謝、排泄されるか等の試験データである。

 しかし機能性表示食品等ではこうしたデータが求められず、メーカーが研究してデータを公表することもないので、機能性表示食品を摂取しても体内に入ってどれだけ機能を発揮するかはまったく確認できない。つまり効果が不明ということを意味しており、科学的根拠となるエビデンスに欠けている。

 あくまで食品に過ぎないサプリでは「効く」「効果がある」などの言葉は禁句だ。きちんとした効果が臨床試験などで確認されている薬品とはまったく違うことに注意が必要である。

 機能性表示食品については、報道によれば消費者庁がメーカーに科学的根拠を求めた88点のうち80点、つまり大半が表示届け出を撤回したという。表示している機能について根拠を示せと言われても科学的根拠を示すことができないものがかなりの割合で含まれていたわけだ。効果がかなり疑問なものも少なくないことになる。むろん効果のあるサプリも存在するが、サプリとひと口に言っても信頼度はピンからキリまであることは知っておくべきだろう。

 次回は、サプリの販売方法で「初回半額」など大幅割引が多い理由を聞いてみる。