兄弟王者の〝秘密〟とは? ボクシングイベント「3150ファイト vol.7」(7日、東京・大田区総合体育館)で、兄のWBC世界ミニマム級暫定王者・重岡優大(26=ワタナベ)が正規王者パンヤ・プラダブシー(32=タイ)、弟のIBF同級暫定王者・銀次朗(23=ワタナベ)は正規王者ダニエル・バラダレス(29=メキシコ)とそれぞれ団体内王座統一戦に臨む。重岡兄弟を幼少期から知る元WBO世界ミニマム級王者の福原辰弥氏(34)が2人の強さを証言し、勝負の行方をズバリ占った。

 ――重岡兄弟との出会いは

 福原氏(以下福原)僕がずっと所属していた本田フィットネスボクシングジム(熊本)に、優大と銀次朗が小学生の時に入会してきた時からの付き合い。

 ――アマチュア時代の2人について

 福原 高校の部活が終わった後、うちのジムに練習に来ていた。ほかの高校生も来ていたけど、当時から強くなりたいという意志が違った。

 ――当時から素質は感じたか

 福原 高校時代からものすごくレベルが高かったし、僕が世界チャンピオンになれるなら、2人ともなれると思っていた。僕が日本チャンピオンの時にスパーリングをしていても、こちらが手を抜くと向こうのペースになってしまう。熊本のジムで練習をしていたので、スパーリングパートナーが東京に比べると少ない。そうした中で、強くなれたのは優大や銀次朗がいたから。

 ――お互いに切磋琢磨をしていた

 福原 そうですね。向こうも僕にやられると、「くそっ」て思っていたと思う。僕も年齢が上なので、向こうの方がいい内容だった時は「くっそ」って思ったし(笑い)。そこがよかったのかな。

 ――2人の性格は

 福原 お互いに気は強い。悪い意味ではなくて、悔しくて少し感情が表に出るのは、2人ともあった。

 ――兄弟仲がいい印象。当時からか

 福原 そうですね。仲のいいイメージしかない。ジム内でも、2人でミットを持ってスパーリングをしているし。仲良くアドバイスをし合っていた。

 ――ミニマム級で2人の攻撃的なスタイルは珍しい

 福原 僕も1ラウンド目から先手、先手で取っていくタイプだったけど、そこまでのパンチ力はなかった。銀次朗と優大は倒すパンチを持っているので。ミニマムは最軽量だから、一発で倒すスタイルは少ないと思うけど、あの2人は一発で倒せるパンチを持っている。そこが、ほかの選手とは少し違うのかな。

 ――攻撃的なスタイルは本田ジムの影響か

 福原 それは、一つあると思います。本田(憲哉)会長は、どちらかというと前に行け、前に行けというスタイルを教えるので。攻撃が最大の防御じゃないですけど、そういう感じで教えているので。あとは、性格的な部分もあると思う。

 ――優大の強みは

 福原 一発で仕留められるようなパワーもあるし、スピードもある。相手が入ってきた時に、パンチを合わせる能力も高いし、相手を見てボクシングができる。トータル面で、ものすごく高い選手だと思う。相手選手(パンヤ)も強いけど、総合的に見ると優大の方が上なのかなと。普通にいけば中盤から後半ぐらいにKOできると思う。

 ――銀次朗の特長は

 福原 気が強いのと、出入りが速い。優大のほうが拳が硬いイメージがあるけど、銀次朗は体が小さい分(152センチ)、体全体を使ってパンチを打つ。しっかりと中に入ってからの爆発力が銀次朗のいいところ。再戦なのでお互いに手の内がわかっていて、やりやすさもやりづらさもあると思う。この間の試合を見ている限りでは、中盤以降にKOできるのではないか。

 ――出入りの速さとは

 福原 踏み込みですね。遠い距離からも、一気にパンチが当たる位置まで中に入っていく。(体が)小さい分、そういうところでカバーできているのかな。

 ――運命の一戦へ

 福原(2人が)高校時代から、世界チャンピオンになっても驚きはしなかった。正規王者になって、いろんな記録を作っていってほしい。

 ☆ふくはら・たつや 1989年5月8日生まれ。熊本県出身。2008年に東海大付属第二高(現東海大付属熊本星翔高)在校中に、プロテストに合格。15年に日本ミニマム級王者。17年2月にWBO世界ミニマム級暫定王座を獲得。同年4月に正規王者に昇格し、熊本のボクシングジム所属選手として初の世界王者に輝いた。プロ戦績は、34戦21勝(7KO)7敗6分け。現在は、ボクシングの面白さを伝えるために熊本市内にオープンしたボクシングフィットジム「AZUL BOX&FIT GYM」の代表を務めている。