“女芸人マニア”として知られているお笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」の新道竜巳が、これから“馬鹿売れ”しそうな女芸人を紹介するこの連載。今回はまだ小学生の時に父親とコンビを組み、その後もずっと活動を続け、今では女子大生になった女芸人を紹介する――。

【プロフィル】
 コンビ名‥完熟フレッシュ
 結成‥2016年8月28日
 事務所‥ワタナベエンターテインメント
 立ち位置左‥池田57CRAZY(イケダゴナクレージー)
 生年月日‥1975年8月17日
 立ち位置右‥池田レイラ
 生年月日‥2005年3月1日

 父親の池田57CRAZYさんは、ロックンロールコメディーショーという男性コンビで04~13年に活動。コンビ解散後に芸人を引退しましたが、当時11歳だった娘とコンビを組み、親子漫才師として復活しました。

 小学生の娘と父親というコンビは最初から目立ってました。しゃべりが鋭いレイラさんが、父親を正論でねじ伏せる漫才は大ウケで結成1年目の16年、いきなりM―1グランプリで3回戦進出、翌17年には準々決勝に進出しました。

 結成した時は、まだ子供だったレイラさんも今年の4月から大学生。見た目もだいぶ変わり、いまは子供のころとは違う形の、等身大の漫才をやっています。娘の成長とともに漫才の色が変わり、とても面白いです。

 とにかくレイラさんは舞台度胸がすごい! 最初は堂々と舞台中央に来て軽快にお客さんをイジる。そして父親をイジり、自然な形で漫才に入る。その技術は芸歴20年を超えているような貫禄すら感じさせます。ただ舞台を離れると、常識があって会話もうまい。これは父親の教育のたまもの。舞台ではおチャラけていますが、普段は教育熱心で愛情深い、気遣いのできる父親です。

 いろいろ聞きたいことがあったので、2人に話を聞いてみました。まず父親から。

 ――引退後、娘と組んで復活したワケは

「芸人を辞めたくて辞めたわけではないので、ずっとモヤモヤしていた。『M―1が復活する』と聞いて『死ぬほどスベればあきらめもつくだろう』と思って出場を決めた。タレント活動を始めていた娘なら練習もすぐできるし、もしかしたらレイラに何かチャンスが回ってくれば、と思って」

 ――娘とうまくやるコツは

「親といっても完璧ではないので、無理に大人ぶらずに一人の人間として娘と接する。そもそも一人親だったので、いま思えばレイラは逃げ道がなかったのでは?」

 ――娘さんにどうなってほしい

「このまま素直に育って、みんなに愛される“国民の孫”になってほしい」

 次はレイラさんに聞きました。

 ――周りが大人ばかりという環境に不安は

「みなさん本当に優しくて親戚のように面倒を見てくださるので、安心して活動できる環境だと思います。でも最近、若い人とお仕事をさせていただくと、今まで年が近い人たちとお仕事する機会がなかったので人見知りが爆発してしまい、慣れるまで時間がかかってしまいます(笑い)」

 ――同級生の反応は

「仲が良い子たちは心から応援してくれて、『あれ見たよ』『すごい良かった』と毎回報告してくれる。良い友達を持っているなと痛感しました。そんなに関わりがない同級生や先生も応援してくれて、意地悪された記憶もないので(気付いていないだけかもしれませんが)、学校生活も支障なく、のびのびできていたと思います」

 ――結成してすぐM―1で3回戦進出

「すごいと思うけど、それ以上勝ち進めなかったのが悔しくて涙を流しました。最初の舞台でお客さまに笑っていただけたのがうれしくて、大きな自信になったからこその涙だと思います。翌年、さらに上に進んだ時は『こんなにうまくいっていいの?』と不安もありましたが、喜んでいる父を見たら、うれしさや希望の方が大きかった」

 ――将来の野望は

「面白くなくて本当に申し訳ないのですが、野望や夢が本当にない。私みたいな人間は高望みしてもいいことがないと分かっているので、自分に合った生活、活動を続けて、幸せな人生を送ることが一番の目標です」

 ☆しんどう・たつみ 1977年4月15日生まれ、千葉県出身、本名・濱島英治郎。平井“ファラオ”光と組む「馬鹿よ貴方は」として「THE MANZAI」「M―1グランプリ」で決勝進出を果たした実力派。緻密なネタ作りに定評がある一方、女芸人ナンバーワン決定戦「THE W」では、予選会場に足しげく通い、ほとんどの出場者のネタを見るほどの“女芸人マニア”。