歌舞伎俳優の市川猿之助容疑者が18日、父親・市川段四郎さんへの自殺を手助けした自殺ほう助容疑で警視庁に逮捕された。母親に続いての同容疑での逮捕となる。一部で伝えられた殺人容疑での立件はなかった。これで一旦区切りとなるのか――。

 猿之助容疑者は5月18日、東京・目黒区の自宅で両親とともに倒れているのを発見。母親はその場で死亡が確認され、父親の段四郎さんは搬送先の病院で亡くなった。

 一命を取りとめた猿之助容疑者は調べに「私に関する記事が週刊誌に掲載されることを両親に話したところ、家族3人で次の世界に行こうとなった」と供述。両親の死因は「向精神薬中毒」で、猿之助容疑者が用意した睡眠薬を飲んだものとみられる。

 猿之助容疑者は「父親が自殺する手助けをしたことに間違いありません」と容疑を認め、「自分が向精神薬およそ10錠を用意し、両親が自ら飲んだ」「すり潰して水に溶かし、両親が飲みやすいようにした」と話しているという。

 段四郎さんをめぐっては、要介護の状態で認知症も進行。がんも患っていたとされており、猿之助容疑者の心中の申し出に同意できたかどうか疑わしい部分もあった。仮に意思疎通が困難だった場合は「承諾殺人」などが適用される可能性もあった。

「それが自殺ほう助容疑で再逮捕ということですから、現時点で(殺人容疑などは)立件困難ということでしょう。段四郎さんの状態を知るケアマネジャーなどからも話を聞いているはずです」とは法曹関係者。

 猿之助容疑者の量刑はどの程度になるのか?

 18日放送のテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」に出演した元大阪地検検事の亀井正貴弁護士は「(自殺ほう助罪は)上限7年。ただ、複数名の死者が出た場合にはその1・5倍ですから、10年と半年が上限になります」と解説。

 執行猶予判決が出る可能性については「非常に微妙なところ。おそらく境界線上の事案だと思います。一般的に1人の自殺ほう助の場合には懲役2年で執行猶予が付く。他方で2人死亡した場合で、1人が自殺ほう助でもう1人が承諾殺人、これが成立すると3年から4年の実刑が出ます」。その上で「本件は両名が自殺ほう助ですから、ちょうど中間…。実刑になったり、執行猶予が付く事案だと思います」と説明した。