【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。福島第一原発の処理水を夏ごろに海に放出する方針を巡り、波紋が広がっています。国際原子力機関(IAEA)は処理水の海洋放出について「安全基準に合致する」という包括報告書を発表しましたが、中国などは今も不信感を強めているようですね。
日本政府としては国内外に対して科学的見地に基づいた丁寧な説明を続けるしかありません。もちろん、我々にとっても身近な問題なので、今後も注視する必要があるでしょう。
本日は6月からネットフリックスで配信され、話題になっている役所広司さん主演作品「THE DAYS」(2023年)を紹介します。作家・門田隆将さんの「死の淵を見た男―吉田昌郎と福島第一原発」が原案になっています。
描かれるのは、2011年3月11日の東日本大震災によって起きた福島第一原発事故。同原発の吉田昌郎所長を演じるのが役所さんです。
渡辺謙さんが吉田所長を演じた「Fukushima50」(20年)も素晴らしいのですが、本作は全8話構成になっており、より細やかな人物描写になっているのが特徴。原発所内の吉田所長の視点だけではなく、政府、電力会社と3つの視点で重層的に描かれ、「あの時何が起きていたのか」という事実をあぶり出しているのです。
物語は、三陸沖を震源とするマグニチュード9・0の巨大地震が発生するところから始まります。地震に伴う大津波の被害によって4基の原子炉が同時に暴走。吉田所長は何が正解かも分からない中、決断を迫られ続けます。
作品はリアルタイムで進行していくような感じで、展開を遅く感じる人もいるかもしれません。ハリウッド映画のようにかっこいいシーンもない。でも本作は貴重な記録映像でもあるのです。
僕は、冒頭に吉田所長の「あの日々は何だったのか。いや…過去形で語るのはふさわしくない。あの日々は何なのか?」というセリフが胸に刺さりました。今回、処理水の問題は何とかなりそうですが、燃料デブリ(溶融した燃料が冷えて固まったもの)の取り出しという最大の困難も待ち受けています。
震災は今もなお現在進行形の問題だと思い知らされる1本と言えます。












