【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。女優の広末涼子さんとシェフの鳥羽周作さんのダブル不倫報道が、連日メディアをにぎわせています。“不倫未遂”が報じられて離婚を経験した僕が、このテーマを取り扱うことに厳しい声もあると思います。ただ過去と向き合うことから逃げてはいけないし、映画コメンテーターとしてもテーマを避けずに作品を紹介したいと思います。
離婚をテーマにした映画といえばダスティン・ホフマン主演の名作「クレイマー、クレイマー」(1979年)がありますが、今回はその現代版とも言える「マリッジ・ストーリー」(2019年)を取り上げます。
物語はアダム・ドライバー演じる夫のチャーリーとスカーレット・ヨハンソン演じる妻のニコールが夫婦間で、お互いの好きなところを言い合うところから始まります。2人には一人息子のヘンリーがおり、チャーリーはニコールの好きなところとして「息子と本気になって遊び、とことん付き合うところが好き」「負けず嫌いなところも好き」と挙げていきます。一方のニコールも「子育てをすごく楽しんでいてすてき」「映画を見るとすぐ泣くところが好き」。ほのぼのとした回想シーンが続き突然、シーンがオフィスに切り替わります。実は2人は離婚カウンセリングを受けていたんです。
実際にカウンセリングを受けて、忘れていた気持ちを取り戻し、やり直すケースもあるようです。しかしチャーリーとニコールの夫婦間の溝は埋まらず、離婚へと進んでいきます。
2人で話し合っていたんですが、親権を争うことになり弁護士を通じてお互いの人格を否定し合うことになり…。本当は円満に別れたいのに親権のために弁護士に従うしかない、もどかしさ。
同作は、お互いを思いやっていた2人にズレが生じ、険悪になっていくさまを丁寧に表現しています。監督のノア・バームバックも離婚経験者で自身の経験をもとに製作しているんですね。結婚当初はこんな気持ちだったよな。それがなんでうまくいかなくなったんだろうとか。めちゃくちゃリアルなんです。
何といってもアダム・ドライバーとスカーレット・ヨハンソンの演技力が素晴らしい。クライマックスで、お互いの感情をぶつけ合う10分の長回しシーンは必見です!
リアル過ぎて離婚経験者にとっては身につまされますが、夫婦について考えさせてくれる1本です。
☆ありむら・こん 1976年7月2日生まれ。マレーシア出身。玉川大学文学部芸術学科卒業。ローカル局のラジオDJからキャリアをスタートさせ、その後映画コメンテーターとしてテレビ番組やイベントに引っ張りだこに。最新作からB級映画まで年間500本の作品を鑑賞。ユーチューブチャンネル「有村昆のシネマラボ」で紹介している。











