自民党から次期衆院選に出馬予定の元タレント、森下千里氏(39)に追い風が吹いている。出馬が取り沙汰される宮城5区は立憲民主党の安住淳国対委員長(59)が強い地盤を持つ。その安住氏が“自爆”しているのだ。

 森下氏は29日、自民党本部を訪れ、二階俊博幹事長をはじめ幹部らにあいさつを行った。候補者として正式に決定するのは、もう少し時間がかかる。

 森下氏に対して自民党の番記者たちが疑問をぶつけた。なぜ政治家になろうと思ったか聞かれ、「旅番組などで日本中を回らせていただいた中で、本当に日本って素晴らしい国だなあと思うことがあり、その地域や出会った方々に恩返しをしたいという気持ちが膨らんできました」と動機を語った。

 相手は常勝の安住氏だ。森下氏は「私としては胸を借りるつもりというか、いろいろ教えていただくこと、そして地域のためなら共に考えることもあるのかなと思っています」と神妙に答えた。安住氏は小選挙区で8回連続当選だけに森下氏が追いかける展開になることが予想される。しかし、ここにきて安住氏が失点している。

 28日に出演したテレビ番組で国会での質問通告を早くして官僚の労働時間を減らそうという話の流れの中で、「官僚を美化してはいけない」「陳腐な話だ」と語ったのだ。

 これには批判が殺到。作家の乙武洋匡氏はツイッターで「彼ら(官僚)が疲弊することで不利益を被るのは、間違いなく私たちですから」と官僚の働き方をケアすべきと指摘。ネットでは「許されない発言だな」「なんて傲慢な奴」「何様だ、こいつ」「宮城県民選挙の時までよく覚えておこうな」とフルボッコになっている。

 永田町関係者は「森下氏は比例復活を視野に入れながらの戦いになるだろうが、東北の比例復活はシ烈な争いになる」と指摘。安住氏の自爆で森下氏のチャンスは広がっている。