NHKは21日、知人女性宅に無断で侵入したとして、住居侵入の疑いで逮捕された船岡久嗣アナウンサー(47)を諭旨免職とする処分を発表した。処分の決定日は21日付で、発令は28日付。過去の同局の〝判例〟からすると重い処分だっただけに、NHK局内からは驚きの声も上がっている。船岡アナは2月、同僚の女性アナが住む都内のマンションに無断で侵入したとして逮捕。ストーカー規制法に基づく禁止命令を受け、3月28日に不起訴となっていた。

 同局の公式サイトにアップされた書面では「不起訴となりましたが、公共メディアの職員として社会的信用を大きく損なった責任は重いと判断しました」と経緯について説明。

「関係者や視聴者のみなさまにあらためて深くお詫びいたします。職員のコンプライアンス意識の徹底に努めてまいります」と謝罪した。

 諭旨免職とは問題行為があった従業員に対し、本人に理解を促した上で双方合意のもと、退職とする処分。一般的に退職金は支給されることが多い。

 もっとも局内では〝重い処分〟に驚きの声が上がっている。その理由は2012年、電車内で女性の胸を触ったり下着の中に手を入れたとして強制わいせつ容疑で逮捕されたNHKの男性アナが不起訴処分となり、その際は停職3か月という懲戒処分だったからだ。

「10年以上前と今とでは、NHKの置かれている立場や社会情勢も違う。一概に処分の重さを議論することは難しいが、Aさんの精神状態を考えれば、ストーカー行為をしていた船岡アナがNHKにとどまることに恐怖を覚えるのは当然です。Aさんの立場も考えての結論だとも言われている」(NHK関係者)

 一部で、以前に不倫関係だったとも報じられているが、取材を進めると、船岡アナとAさんの〝主張〟は最後の最後まで対立していたという。

「船岡アナとAさんは、同じ勤務地で働いていたことがあり、相撲好きという共通点で仲もよかった。当時、周囲からも親密な関係を疑われていた。ただ、局サイドの聞き取りにAさんは『一切、不倫関係はなかった』と完全否定。一方、船岡アナは以前、親密な関係にあったと主張した。結局は事実関係を特定するにはいたらず、ずっと平行線のままだった」(同)

 Aさんは地方から東京に栄転しており、現在は看板番組でキャスターを任されている。

 今回の騒動渦中、心配した上司が〝数日の休養〟を打診したが、Aさんは「休みはいりません」と拒否。普段と変わらない姿で気丈さを見せていた。