奈良競輪「開設72周年記念 春日賞争覇戦」は2日に幕を開ける。初日特選12Rの脇本雄太(33=福井)と古性優作(31=大阪)は今年に入りすでに4回連係してすべてワンツー。いずれも脇本―古性で決まっている。

 古性にとっては歯がゆいもので、前検日(1日)も検車場で会った脇本から「よお、マーク屋(笑い)」とちゃかされたが、結果は結果だ。だからといって状態が悪いわけでは決してない。今年は脇本との連係を除けばすべて1着を取っており、高いレベルで戦績は安定している。

 傍目から見れば、タテ脚のある古性がどうしてそこまで苦戦するのかと思うものだが、話を聞くとそう簡単なものではないらしい。それは後ろに付いた古性にしか分からないプロの直感だった。

「今年に入って脇本さんの先行が変わった感じがします。去年とかだと、一気に1人でも行ってしまうような感じがあったけど、今はボクを信頼してくれているのか、ラインを使って先行している感じがあるんです」

 以前ならば一気に出切るあまりに力を消耗し、最後の粘りを欠くケースもあったそうで、そのときは「抜いていた」という。

 だが今年の脇本は「80%、90%と徐々に上げて行く先行選手の踏み方。和歌山と豊橋の決勝がそうだった。しんどいかな? しんどいかも? って付いていたのに、元気だったんかい! って(笑い)」としっかりと余力を計算した運行に徹しているようだ。そうなれば、さすがの古性も詰め寄れない。

 それでも、手をこまねいているわけにはいかない。今年はS級S班の同配分で脇本ともっとも連係する可能性が高く、交わさなければ、その上を目指せないからだ。

「今は脇本さんの底知れぬ力に追いついていない。連係すればするほど新しい引き出しを出してくる。対応することがこれからの走りに必要です」

 脇本の背中には古性にとって大事なものが詰まっている。