俳優の内海啓貴(28)がブロードウェイ・ミュージカル「ドリームガールズ」(2月5日から東京国際フォーラム、同月20日から梅田芸術劇場)に出演する。ここ最近は数々のミュージカルに出演し、存在感を放っている。成長する上で偉大な先輩俳優たち、具体的には市村正親(74)、山本耕史(46)らの“教え”が大きな力になったという。

16年「テニスの王子様」出演が転機に
16年「テニスの王子様」出演が転機に

「ドリームガールズ」は世界中で圧倒的人気を誇るミュージカル。内海は3人組コーラスグループ「ザ・ドリーメッツ」のメンバーのエフィの弟で作曲家C・C・ホワイトを演じる。

 ストーリーを彩る名曲の数々が作品を盛り上げる。内海は「曲がとても素晴らしくて。それを僕が演じるC・C・ホワイトが作ってるんだと思うとインテリジェンスで、とても魅力のある役だと思います。天才的なんですけど人間味がある役」。


 周囲を楽しませようとするエンターテイナー気質は、祖父母が営んでいたスナックにルーツがある。「常連さんが歌う歌謡曲を聴きながらコーラを飲んでた思い出があります。常連さんに『歌って』って言われることもありました」。歌に興味を持つようになったのは自然の流れだった。

 20歳から東京・下北沢で路上ライブを行い、スナックで鍛えたサザンオールスターズの「TSUNAMI」、玉置浩二の「メロディー」を歌い、ミュージシャンを夢見た。そんな内海の転機となったのが16年に出演したミュージカル「テニスの王子様」。右も左も分からないまま飛び込んだが「ミュージカルはセリフの延長線上で歌を歌う。心が動いた瞬間にメロディーが流れて、その思いとともに歌詞を届ける。歌謡曲は歌詞を大事にしてる部分が多く、今になって生かされてると思います」と話す。

 キャリアアップしていく中で共演者から刺激を受ける機会も増えた。その1人がミュージカル「アナスタシア」(20年)で共演した山本だ。「体の向き一つで自分の役の心情の表現が全く違う角度でできる。ただセリフを言うのではなく、相手とかお客さんの目線に対して自分がどう動くかによっても変わってくるから、自分の心だけじゃなくて視野を広げられるようになった方がいい」とアドバイスを受けた。

 昨年は「ラ・カージュ・オ・フォール」で市村と共演。「稽古場からたくさん学ばせていただきました。舞台上での気持ちのかわし方は今までに体感したことがない。緊張してたんですけど自分のベスト以上のモノを引き出してもらえました」とレジェンドのすごみを体感した。

 市村から授けられた金言は「舞台人として一番は健康であること」。部屋の湿度は常に50~60%をキープし、トレーニングと食事管理で体脂肪率10%以下とアスリートなみの体形を維持。息抜きも草野球とサウナと「思い返すと健康なことしかしてない(笑い)」とストイック過ぎる私生活を明かした。

 今後について「いつか帝国劇場に立ちたい。ラ・カージュ・オ・フォールで共演した市村さん、鹿賀(丈史)さんの姿を見て自分の生きてきた人間性、その年輪が役者という仕事にはにじみ出る。そういう部分が役者として魅力になると思うので私生活からすてきな人間になりたいと思います」と話した。

 祖父母が営むスナックのステージで歌っていたドリームボーイが帝国劇場のステージに立つ日も近そうだ。