正月はとうに過ぎ、仕事は通常運転になったというのに、カラダと脳はまだ正月モードから抜け切れていない。それもそのはず。「正月だから」と理由をつけ、昼から飲んで、酔っては寝る生活を送っていたのだから。しかも「寝たら酒が抜けたゼ」と、いい気になって再び飲み出すという何とも自堕落な三が日であった。この話を親しいドクターに話すと、「寝てもお酒は抜けません。それどころか、寝たほうがかえってアルコールの分解が遅くなりますよ」と注意されてしまった。
実は「酒を飲んで寝ると酒が抜けてスッキリする」というのは気分だけで、カラダの中ではアルコールの分解は進んでいない。睡眠時にはアルコールを吸収する腸の働き、アルコールをせっせと分解してくれる肝臓の働きが弱まってしまうのだそう。酒を飲んで眠らずにいた人と、眠った人では呼気中のアルコール濃度の差が2倍もあるという研究報告もある。
では実際、アルコールがカラダから抜けるには、どのぐらいの時間を要するのだろう? 個人差はあるが、久里浜医療センターの実験によると男性では1時間に9グラム、女性では6・5グラム(ともに純アルコール換算)という結果がある。日本アルコール関連問題学会などでは、ここからさらに年齢や性差を加味し、アルコールの分解速度は「1時間に4グラム」という基準を設けている。これを基準にすると、日本酒1合(20グラム)を分解するには5時間もかかることになる。飲んで寝てしまえば、さらにアルコール分解が遅れるのだから、それを踏まえた上で飲み方を一考したほうが良さそうだ。
いくら働き者の肝臓クンだって、寝ている時くらいは休みたいのだろう。「今年は昨年以上に肝臓を労ってあげよう」と、カンペキに守れそうにない誓いを年頭に立てた筆者であった。












