〝許容範囲〟の結果だ。柔道の講道館杯全日本体重別選手権(30日、千葉ポートアリーナ)、男子100キロ級で東京五輪金メダルのウルフ・アロン(26=了徳寺大職)は3位。連覇を狙う2024年パリ五輪に向けて、ようやく再スタートを切った。

 昨年の五輪以来約1年3か月ぶりの実戦。初戦の2回戦から順当に勝ち上がったが、準決勝で指導3の反則負けを喫した。3位決定戦は熊坂光貴(国士館大)から内股で技ありを奪うも、試合後は「しんどかったです」と疲れ切った様子だった。

 五輪後は積極的にテレビ番組に出演するなど多忙を極め、一時は推定体重が120キロを超えたこともあった。一方、復帰戦として照準に合わせていた4月の全日本選抜体重別選手権は右足首を痛め、8月のアジア選手権はコロナに感染して欠場。「400日以上のブランクがあって、どこかで試合を入れておかないと、この状態で国際大会に出ることできない」と話すように、この日は現状確認がテーマだった。5試合を通して「相手も死にもの狂いでやってくる中で動き自体よくなかったし、勝ちきることができなかったのでまだまだ未熟」と淡々と振り返った。

 今大会は来年5月の世界選手権(ドーハ)日本代表1次選考会を兼ねており、12月のグランドスラム(GS)東京大会の出場権がかかっている。同大会出場濃厚の五輪王者は「1試合挟んだことで、パフォーマンスは必ず変わってくると思う。負けたこと、試合で得たものを次につなげられる1か月にしたい」。さらに2年後の大舞台へ「一歩目としては許容範囲」と前を向いた。