アイドルグループ「SKE48」の30枚目シングル「絶対インスピレーション」(5日発売)が好調なセールスを記録している。Billboard JAPANが12日に公開した週間シングル・セールス・チャートでは29万8021枚を売り上げ、トップとなった。

 SKE48は2021年2月発売の27枚目シングル「恋落ちフラグ」(初週19万6556枚)から前々作「あの頃の君を見つけた」(初週23万4600枚)、前作「心にFlower」(初週27万4744枚)と新曲発売のたびに数字を伸ばしてきた(サウンドスキャンジャパン調べ)。松井珠理奈卒業シングルの「恋落ちフラグ」では68人のメンバーが参加したが、そこから松井珠理奈、高柳明音、惣田紗莉渚、大場美奈、古畑奈和ら人気メンバーが卒業。今回の新曲参加メンバーは59人となっている。

 それでも3作前の「恋落ちフラグ」に比べると初週売り上げが約10万枚もアップしているとあって「人気メンバーが卒業しているにも関わらず数字が伸びていることはありがたいです」とSKE48を運営する株式会社ゼストでも驚きの声があがっているという。

 なぜセールスが伸びているのか? ゼストの田村謙典執行役員は「新曲の発売日が14周年と重なったことで盛り上がった中でのリリースとなったことがあるのでは。そしてコロナ禍でも現場でのイベントを絶やさなかったことが大きかったと思います」と分析する。

 コロナ禍で48グループの売りであった握手会は開催不可能となった。しかしSKE48では飛沫防止シート越しに約2・5メートル程度の距離を取ってメンバーと会話することができる「現地でトーク会」という新曲発売イベントを継続的に実施。他のアイドルグループがオンライン中心のイベントに切り替わった中でも現場イベントにこだわったことがファン離れを防いだと考えられている。

 また珠理奈卒業後、28、29枚目シングルでは10期生の林美澪(13)、今作では9期生の青海ひな乃(21)をセンターに起用した。さらに4月にお披露目されたばかりの11期生・原優寧(20)を今回、カップリング曲のセンターに抜てき。グループの若返りを積極的に進めたことで9、10、11期生ら若手メンバーの人気が上昇し、これが売り上げアップにつながったと見られている。

 そして何より大きいのが今年に入ってから、グループを卒業するメンバーがほとんど出ていないことだ。SKE48では11月1日で卒業する須田亜香里(31)を含めて今年卒業発表したメンバーは4人だけで、これは12年以降最少。「既存のメンバーが(辞めずに)頑張ってくれているのは大きい」(田村執行役員)と運営サイドも感謝している。

 メンバーのモチベーションを高める大きな要因となっているのが各チームへの新公演導入だ。チームSが5月から新公演「愛を君に、愛を僕に」をスタートさせたのに続いてチームKⅡが12月から新公演「時間がない」をスタート予定。チームEも来年中の新公演導入が予想されている。新公演開始となればオリジナルポジションやオリジナル衣装が与えられるだけにメンバーのヤル気も当然アップする。SKEファンである高須クリニック名古屋院の高須幹弥院長(47)も「各チームで新公演が始まることでメンバーが全力で力を合わせて頑張っている。みんなが仲良く楽しんでやっているように見えますね」とグループ活動の充実ぶりを指摘する。

 48グループのコンセプトといえばやはり「会いに行けるアイドル」。現場イベントと劇場公演の盛り上がりがコロナ禍からの最大の逆襲ポイントとなりそうだ。