浮き彫りとなった課題とは――。柔道の世界選手権7日目(12日、タシケント)、男子100キロ超級決勝が行われ、五輪2連覇の斉藤仁さん(故人)の次男・斉藤立(20=国士舘大)はアンディ・グランダ(キューバ)に敗れて銀メダル。初出場Vを逃した。1992年バルセロナ五輪男子95キロ超級銀メダルの〝元暴走王〟小川直也氏は、最終局面での消極的な姿勢を疑問視。その上で、今後世界で戦っていくためのポイントを挙げた。
1983年大会の無差別級を制した父・仁さんとの親子2代制覇に、あと一歩及ばなかった。斉藤は初戦の2回戦から順調に勝ち進んだが、決勝はゴールデンスコアの末に3つ目の指導が与えられて反則負け。「本当にものすごく後味が悪く、悔しい。支えてくださった方々に申し訳ない」と肩を落とした。
今大会は五輪2大会金メダルのテディ・リネール(フランス)をはじめ、ウクライナに侵攻するロシアと同盟国ベラルーシの選手が不在。さらに東京五輪金メダルのルカシュ・クルパレク(チェコ)、同銀メダルのグラム・トゥシシビリ(ジョージア)が決勝を前に姿を消していた。小川氏は「優勝するチャンスだなと思っていたし、ここらへんで存在感を出して2年後のパリ五輪につなげていくのではと思っていたが、今の外国人の平均的な強さが出てしまった感じがする。〝鬼の居ぬ間〟という言葉が正しいかはわからないけど、日本勢に優勝してほしかった大会だったなと思う」と振り返った。
決勝の敗因は最後の最後で守りに入ってしまったことだ。斉藤が「最初の袖釣り込み腰でビビってしまい、間合いを詰められなかったことが最後まで響いてしまった」と語ったように、防戦一方の展開。2つ目の指導をもらっても、積極的に技を仕掛ける相手を前に、攻撃を繰り出すことができなかった。小川氏も「指導2を取られて(攻めに)いかないと負けてしまうときに、あそこでやられてもいいからいくというところを見せてほしかったな」と指摘した。
では、どこを改善していくべきなのか。小川氏は「やっぱり今は組み手の部分で制することができないと、世界では勝ち切ることができないと思う。やっぱり先手を取っていかないと今の柔道のルールではちょっと厳しいのでは」との見方を示した。ただ、まだ斉藤は20歳の大学生。「もちろん今日の負けは反省しなければいけないけど、先のある選手だし発展途上の段階。そういうところをこれから積み重ねればよくなるんじゃないかな」とエールを送った。
日本史上初の親子Vはお預けとなった。今回の決勝で味わった悔しさを、今後のさらなる成長につなげていきたいところだ。












