30日放送されたNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」最終回は、前回から時間が約40年飛んで「202X年」に。沖縄の本土復帰50年を記念して製作された同作だが、実質的に細かく描かれたのは復帰前の1960年代から85年ごろまで。復帰後でいえば十数年間だった。
29日は、ヒロインの暢子(黒島結菜)の妹・歌子(上白石萌歌)が倒れて意識を失い、予断を許さない状態に。これは暢子が沖縄の実家で食堂を開店した85年ごろのこと。最終回は、幕を開けると登場人物が〝老け役〟と化し、歌子も含めてみな幸せな人生を送っていた。
この〝ワープ〟に、SNSでは「吹っ飛ばしたことに悶絶失神」「コント老けメイク」「ドリフへのオマージュか」「ナレ頼み」「最後の最後までハチャメチャ」などと驚きや疑問、ツッコミの反応が吹き荒れた。
窮地の場面でのワープは初期にもあった。母子家庭の一家が借金返済に苦しみ、沖縄から幼い暢子を〝口減らし〟のため東京の親族に引き取ってもらうことになったが、土壇場で撤回。苦しい暮らしがどうなるのかと思いきや、次回で暢子は高校生にワープしており、糊口をどう凌いだのかは描かれなかった。
女性3代の100年を描いた朝ドラ前作「カムカムエヴリバディ」でも最終回、20年近くワープして初代ヒロインが100歳になっていたが、今回の40年はそれをはるかに超える〝スケールの大きさ〟だ。このワープによるソリューションは、「ご都合主義」「お花畑ドラマ」といったネット上の批判を象徴する手法だと言える。
歌子が倒れた際、姉の良子(川口春奈)が「お父ちゃんが死んで借金まみれのどん底で、それでも歯を食いしばって生きてきたのに…」と悔しがる場面も、過去の放送でそれがリアルに演じられた場面はない。その点、働くシングルマザーがコロナ禍で「しんどい」ご時世を懸命に生きる「夜ドラ」の「あなたのブツが、ここに」は骨太だと好評を博した。同時期の29日に放送終了とあって、「ちむどんどん」は同作と並べられて酷評されるハメにも。
時代背景に触れたのはもっぱら復帰前後。80年代のリゾート開発ブームや環境破壊、米軍基地の存在もうかがわせず、ひたすら青い海と豊かな緑を描く。何でも解決の暢子の〝ソリューション力〟が目立つ、不思議さを秘めたドラマだった。











