次世代エース候補の胸の内は――。卓球女子の木原美悠(18=エリートアカデミー)が単独インタビューに応じた。2024年パリ五輪のシングルス代表2枠をかけた国内選考レースは1位の早田ひな(22=日本生命)、2位の伊藤美誠(21=スターツ)を5番手で追走中。最強ツートップの牙城を崩すための課題やオフの過ごし方、〝Wみゆう〟としてダブルスでペアを組む長崎美柚(20=木下グループ)との意外な共通点などを包み隠さず明かした。

 ――パリ五輪選考レースはハイレベルな戦い

 木原 今まで世界ジュニア、世界ユースの選考会はあったけれど、五輪がかかった選考会は初めてで少しドキドキワクワクという感じです。(ここまで)結果には満足できているわけではありませんが、試合内容的には得たものもすごくたくさんあると思います。

 ――3月のライオンカップ、8月のノジマカップはいずれも準決勝で早田に敗れた

 木原 強いですね。早田選手には少し苦手意識があって、気持ちで負けている部分が多いかなと思います。Tリーグでは1、2回ぐらい勝っていますが、勝っても自信がつかない。

 ――今月の全農カップは2回戦で敗退。獲得ポイントが2番手から5番手となった

 木原 数字を意識してしまうと少しプレッシャーを感じてしまうので、意識しないように目の前の試合で勝つことに集中しています。五輪が近づいたら意識してしまうかもしれませんが。

 ――現時点で上位2人は早田、伊藤だ

 木原 五輪に出場するには最終的に国内でトップに立っていないといけないので、そこに関しては伊藤選手や早田選手たちに絶対に勝たないといけない。その中で(国内トップ選手からは)吸収する部分もあって、自分の技術や戦術を身につけてもっと上に行きたい。

 ――誰のどのような部分を吸収したいのか

 木原 技術的なものはあまり変わらないのかなと。最後は気持ちと思っています。その部分で言うと、伊藤選手のメンタルの強さ。競った場面でこの1球が大事というところで「えっ、この場面でそんなことするん?」みたいな勇気というか。自分は気が弱くて競った場面ですごく緊張してしまって自分のプレーができなくなるので、そこが自分にはまだちょっと足りないと思います。

 ――4月のアジア大会代表選考会で伊藤から勝利を挙げている

 木原 伊藤選手とは中学2年の全日本選手権(2019年)以来の試合で、正直勝てるとは考えてなくて。最終的に勝つことができてうれしかったですし、少し自信がついたかなと。

 ――ところでダブルスでペアを組む長崎はどんな存在

 木原 一緒にいて安心します。2歳上ですが、年の差を本当に感じないです。(JOCエリート)アカデミー時代から、先輩と思わないといけないのですが、思うことができなくて(笑い)。居心地がいいという感じですね。

 ――卓球以外に共通点はあるのか

 木原 しゃぶしゃぶです(笑い)。私たち本当に好きで、最近は行けてないですが、コロナ前とかは遠征時などに2人で食事に行く機会があれば、絶対にしゃぶしゃぶ。暗黙の了解って感じ。

 ――こだわりは

 木原 絶対豚(肉)で(2人とも)ポン酢派です。シンプルな味が好きで。鍋の種類も決まっていて、すき焼きと和風。白菜、エノキ、マイタケ、シイタケと野菜やキノコ類も結構食べます。

 ――オフはどう過ごす

 木原 一日中寝ます。たとえば前日は夜11時ぐらいに寝て、翌朝は朝ごはんの後に寝て、お昼ごはんの前に起きてまた寝て、夜ごはんの時間まで…。

 ――日中だけで7~8時間は寝ているのでは

 木原 全然寝れます。もともと外に出るのが好きじゃないというか、寝るほうが好き(笑い)。

 ――パリの大舞台では打倒中国勢を目指す

 木原 今一番に考えているのはパリ五輪。28年ロサンゼルス五輪はまだはっきり考えたことがないので、まずパリで。中国人選手とは直近で少し惜しい試合をしたので、もうちょっと頑張れば1勝ぐらいはできるのではないかなと。1勝できれば自信がつくと思うし、中国人選手のことも少しずつわかってくると思います。

☆きはら・みゆう 2004年8月3日生まれ。兵庫・明石市出身。4歳から卓球を始めて11年にバンビの部(小学2年以下)で全日本初優勝。15年9月のITTFジュニアサーキット・チャイニーズタイペイジュニア&カデットオープンのジュニア女子シングルスで優勝。17年にJOCエリートアカデミー入校。19年全日本選手権では史上最年少の14歳5か月で決勝に進出し、伊藤美誠に敗れて準優勝。長崎美柚とのペアで臨んだ同年ITTFグランドファイナルで優勝した。164センチ。