「走れコウタロー」などのヒット曲で知られるフォーク歌手の山本コウタローさんが脳内出血のため4日に死去していたことが、本人の公式ホームページで15日、親族により明かされた。73歳だった。葬儀は近親者のみで執り行われた。

 山本さんは一橋大在学中に「ソルティー・シュガー」を結成し、1970年に「走れコウタロー」が大ヒット。ダービーを舞台にした競馬コミックソングは、軽快なテンポとともに「本命穴馬かきわけて」「走れ走れコウタロー」「追いつけ追いこせひっこぬけ」という歌詞や実況中継風トークの挿入などが話題を呼んだ。同グループは同年の日本レコード大賞新人賞に輝いた。

 74年には「山本コウタロー&ウィークエンド」名義で出した「岬めぐり」がヒット。当時、吉田拓郎や井上陽水、かぐや姫らフォークソングのアーティストが音楽界を席巻。山本さんも70年代フォークブームを盛り上げた貢献者だった。

 TBSラジオの深夜放送「パック・イン・ミュージック」パーソナリティーやテレビ番組の司会など活動は幅広く、2008~09年と10~11年には人気ドラマシリーズ「渡る世間は鬼ばかり」にレギュラー出演した。

 地球環境問題にも関心を深め、「ちきゅうクラブ」を結党して党首に。89年の参院選で比例代表候補に名を連ねたが、落選した。

 99年に白鴎大学の教授に就任。教壇に立つ一方で野球部長も務めた。20年には本紙の取材に応じ、同大OBの阪神タイガース主軸打者・大山悠輔内野手に「自分を信じてそのまま突っ走れ」とエールを送った。当時の生活について、教授を退任し「CS放送で毎日プロ野球観戦の日々」と語っている。

「走れコウタロー」が生まれた70年は大学紛争が続いていた。「団塊の世代」のミュージシャンが世を去った。