日曜日の午前中に放送されている「サンデー・ジャポン」(TBS系)と「ワイドナショー」(フジテレビ系)が、ともに高視聴率を記録している。

 14日の放送では「サンジャポ」が番組歴代2位となる15・1%、「ワイドナショー」は過去最高の11・6%を記録した(関東地区、ビデオリサーチ調べ)。

 この2つの番組、コンセプトは非常に似ている。「サンジャポ」が爆笑問題の太田光、「ワイドナショー」がダウンタウンの松本人志という大物MCを中心にした出演者が、最近の時事問題を斬っていくというものだ。ただこのようなスタイルは、特に目新しいわけではない。むしろ「昔、関西ローカルでよくやっていたな」と感じてしまう。

 20年ほど前、関西テレビで「痛快!エブリデイ」という情報番組が平日の午前に放送されていた。関西ローカルのこの番組は落語家の桂南光が司会を務め、桂ざこばや太平サブロー、中田ボタンらが時事問題を「ああでもない、こうでもない」と斬りまくる「男がしゃべりでどこが悪いねん!」というコーナーが人気だった。その後、「浪速の視聴率男」と言われた故やしきたかじんさんの番組などは、ほぼこのスタイルを踏襲したものと言ってもいいだろう。

 ただ、関西でこのスタイルが主流になったのは“苦肉の策”だったという。在阪の民放関係者は「昔から『東京と大阪の制作費は1桁違う』と言われてきた。それは大げさとしても、かなり差があるのは事実。東京のワイドショーのように、現場の取材におカネをかけられないから、『口の達者な芸人が時事問題を斬る』というスタイルが定着していった」と明かす。

 このスタイルが、今になって東京でも主流になりだした。東京のワイドショーといえば、かつては番組自ら現場に出て取材を行い、独自の映像で番組を作ってきた。「日本テレビの『ザ・ワイド』などは、よくスクープを出していましたけどね。でも最近は、東京の番組も制作費がどんどん削減されている。昔のように、自分たちが取材するとものすごくおカネがかかる。だから最近は、芸人に時事問題を斬ってもらうという、昔から関西にあったような番組が増えてきたのでしょう」(同)

 その上、テレビ局側にとっても、最近の話題を松本や太田に斬ってもらう方がありがたい面があるという。「今年で言えば、SMAPの解散騒動を扱おうにも、ジャニーズに嫌われたくないからテレビ局主導ではやりづらい。その点、松本さんや太田さんにコメントしてもらったら『あくまで彼らの意見です』と言い訳できますから」(民放キー局関係者)

 テレビ局にとってSMAPの解散騒動は、それほど扱いづらい案件だったという。「あるテレビ局の芸能デスクなんて、普段から大手の芸能プロにベッタリだから、SMAPについては最初から及び腰。揚げ句の果てに『社会部でやって』と、取材を報道に丸投げしたなんて話もある」(同)

「サンジャポ」や「ワイドナショー」のような番組が生まれたのは、制作費がかかる取材を嫌うようになったことに加え、大手芸能プロと闘う姿勢をなくしたテレビ局の産物と言える。それでも高視聴率を取ってしまうのだから、今後もこのスタイルの番組が増えていくのは確実だろう。