今夏ドラマで注目度トップ級の「Tシャツが乾くまで」(TBS系)は、7日の第5話で「第2章の幕が上がる」(番組サイト)。物語を進行させてきた咲子(蒼井優)と樹生(中島歩)の〝シンメトリーな関係〟はどう変わっていくのか。
主人公の雑誌編集者・咲子と喫茶店を経営する充(松山ケンイチ)の瀬尾夫妻。製菓会社社員の樹生と古書店パート従業員あずさ(夏帆)の薗田夫妻。幸せそうな家庭で突然、充とあずさが、死亡事故を起こした長距離バスに同乗していたことが分かる。互いのパートナーに何があったのか。残された自身の複雑な思いも胸に、咲子と樹生は対話を重ねた…。
あずさは死亡し、充は生きていることが分かったが、行方をくらませたまま。事故エピソード以降は2人とも回想シーンでの登場のため、ドラマは咲子と樹生が回してきた。
この2人は、知らないところで先に接点が生じていた充とあずさによる中心線をはさんでそれぞれが反対側にいた。いわばシンメトリーな関係。充が生存していた点では非対称だが、咲子は夫が帰って来ないことを覚悟した様子で、喪失感で両者は共通する。
象徴的なのは〝ペアチケット〟の謎。咲子は夫が花火大会の券2枚を、樹生はあずさが水族館の券2枚を保管していたことを知る。咲子は花火大会に、樹生は水族館にトラウマめいた悪い思い出があるため、2種類のペア券は充とあずさが楽しむために用意していた疑いが浮かぶ。互いのパートナーに「絶対自分じゃない相手」がいた衝撃は大きい。
さらには、職場で〝かわいそうな人〟扱いされる居心地の悪さも、残された2人には相通じるところがあった。それぞれの母親に対する微妙な感情も似ている。
夫と妻が突然〝手の届かない人〟になってしまった咲子と樹生。咲子は夫にモノ申したく、樹生は殴ると息巻く。ところが先週の第4話で「まだ殴りたいですか」と尋ねた咲子に、樹生は「今はそんなに」と水族館の件で意気消沈した様子。充捜しも「僕から積極的には…」。充を巡り「意地でも見つけます」と言っていた咲子と、同様に強い感情をぶつけるとしていた樹生の間に違いが生じた。
4話では、樹生が「かわいそうな人、終わりにして幸せになれますよね?」と咲子に言う。一般論として確信を得たいというよりも、咲子に思いを伝えるかのように語りかけている。考え込むように間を置き、「どうですかね」と硬い笑みで応えた咲子。その後単身、充の関係場所へ足を運んだ。
咲子と樹生のシンメトリーな関係性は、崩れていきそうな気配を漂わせている。












