1980~90年代に心霊番組での霊視や、バラエティー番組などで人気だった僧侶・織田無道さんが9日に死去していたことが分かった。68歳だった。2018年に直腸などのがんを宣告され、闘病中だった。全盛期には週5本のテレビ番組のレギュラーを持ち、プライベートではランボルギーニを乗り回し、〝墓地乗っ取り事件〟では最高裁まで争い有罪判決を受けるなど、波乱万丈の人生だった――。
「ステージ4、余命1年です」
2018年6月。すでに手遅れな状態にまで進行したがんが見つかり、余命宣告された。
余儀なくされた闘病生活。織田さんは、わらにもすがる思いで民間療法に手を出した。1990年代にバラエティー番組で「除霊」「霊視」などスピリチュアルな言動で活躍しただけに、いにしえの摩訶不思議なパワーに託したのだろう。超能力やサプリ、ワクチン…効きそうなモノは試しまくり、総額1000万円以上つぎ込んだという。
だが、あくまで民間療法にすぎない。肺や大腸など、実に20か所以上に転移したがんには効かなかった。18年末には死期を悟り「お世話になりました」と周囲にあいさつ回りしている。
そんな中、ある超能力者から、未知の〝生命体〟を含有するクスリを勧められたという。そのクスリは現在でも粉末や錠剤、リキッドなどで数千円~1万円台で流通しているが、医科学的に認められた成分ではない。
それでも織田さんは飛びついた。しばらくすると、体調が快方に向かったと感じたそうで、知人らに「これで生き延びました!」と声を弾ませていた。「これ、いいですよ!」と勧めてもいた。
温泉療養である湯治(とうじ)もやってみた。大分や神奈川、群馬、新潟など全国の秘湯をめぐったという。
今春ごろには、猛威を振るい始めた新型コロナウイルスに気を付けつつ、仕事先の関係者と顔を合わせている。
「久しぶりに会ったら激ヤセしていました。といっても大柄な人だったから、普通の男性の体形に落ち着いただけ。あの鋭い目力と野太い声は健在でした」(知人)
往年の体重は100キロもあった〝巨漢僧侶〟は全身をがんにむしばまれ、60キロ台にまでダウンしたが、元気だった。
関係者は「今年2月ごろは、医者から止められているステーキを元気に食べてた」と明かす。
織田さんは80年代に心霊番組のブームの波に乗るようにテレビ界に登場すると、水晶玉による霊視や除霊の際、鬼気迫る手法が注目され、引っ張りだこに。「酒も焼肉も女性も大好き」という僧侶らしからぬ私生活も公開し、多い時で週5本のレギュラー番組を持ち、スーパーカーのランボルギーニで疾走した。
メディアから姿を消したのは2002年9月、東京都内の墓地をめぐり、宗教法人の登記を無断で変更した〝墓地乗っ取り事件〟で逮捕されたことが原因だった。織田さんは最高裁まで争ったが04年に懲役2年執行猶予4年の有罪判決が確定した。
かつて本紙インタビューでは「(事件で)ずいぶん冷たい目を向けられ、週5本あったテレビ出演もなくなったけど、勉強になりましたよ。周りで調子のいいことを言っていた人間は離れていった。でも檀家さんや家族は理解してくれたから、ありがたいこと」と振り返っていた。
私生活を含め、作られたキャラクターのようにも思えたが、織田さん自身は欲望にも素直で、他人の目を気にせず自由に振る舞う純粋さがあった。












