アイドルグループ「SKE48」のチームSが28日にSKE48劇場でオリジナル新公演「愛を君に、愛を僕に」をスタートさせた。

 48グループのオリジナル公演としては初めて秋元康氏(64)ではなく、小室哲哉氏(63)がプロデュース。初演の模様はSKEの公式ユーチューブでも無料配信されたが、ファンの反応は上々で「こちらからは何もお願いをしていなくても、幅広い楽曲をご提供いただきました。小室さんは本当にすごいです」(SKE関係者)と〝TKクオリティー〟を見せつけた。

 SKEとしては約11年ぶり、48グループ全体でも約6年ぶりとなるオリジナル新公演は、早くも大きなプラス効果を呼んでいる。48グループの劇場公演はDMMで配信されているが、新公演の開始をきっかけにSKE公演の月額会員数は増加。もともとSKEは48グループでもトップクラスの月額会員数を誇っていたが、新公演スタートでさらに勢いづいている。

 また、26、27日に行われたゲネプロ(最終リハーサル)には、名古屋の民放全局が集結。冠番組の「SKE48 ZERO POSITION」(CS・TBSチャンネル)、「SKE48の未完全TV」(テレビ愛知)だけでなく、週明けには地元の情報番組でも新公演が取り上げられる予定だ。

 さらに「SKEファンでない人にも新公演のことを知ってもらうために」(SKE関係者)、30日から6月5日までの期間、栄、名古屋、金山、伏見など名古屋市内の主要駅に、チームSメンバーのレッスン風景をモチーフとした広告を出稿。新規ファンを呼び込むためのアピールをしていく。

 何よりも新公演のオリメン(オリジナルメンバー)となったことで、メンバーのモチベーションも爆上がりとなった。小室哲哉氏をはじめ振付師の牧野アンナ氏、CRE8BOYら、日本を代表するクリエーター陣と新公演を作り上げていくことで、スキルも経験値もアップ。「牧野アンナ先生が本気の本気を私たちに叩き込んでくれたから、変われるチャンスのど真ん中にいると感じました。レッスンが始まってからの約2か月間が人生生きてきた中で一番濃いというぐらいの経験をさせていただきました」(井上瑠夏)とアイドルとしての成長を実感した。

 チームSには19人のメンバーが所属しているが、公演に出演できるのは16人だけ。それでも「オープニングの衣装だけは、19人のメンバー全員分の名前入り衣装を作っていただいたんです。本当にうれしくてスタッフさんの愛を感じました」(坂本真凛)と19人全員がオリメンとしての意識を共有できた。

 SKEにはチームS以外にもチームKⅡ、チームEがあるだけに「私たちが成功しないと、他のチームの新公演にはつながらない。その意識はみんなが持っています」(井上)「次のグループにつなげることができるように日々最高を更新していきたいです」(坂本)と、オリジナル公演の流れをグループ全体につなげていこうと燃えている。

 6月8日には新公演の楽曲が収録されたアルバム「愛を君に、愛を僕に」が発売されるが、楽曲の原盤権はSKEの所属事務所である株式会社ゼストが所有している。劇場公演で楽曲を披露し、配信やCD売り上げで制作コストを回収していく。その循環を新たに確立することができれば、48グループ全体にオリジナル公演導入の流れが広がっていくかもしれない。