福島県のいわき平競輪のGⅠ「第76回日本選手権競輪」は8日、11Rで決勝戦が争われた。脇本雄太(33=福井)が一気のまくりで前団をのみ込んで2回目のダービー制覇を達成。GⅠ優勝は2020年10月の寬仁親王牌以来6回目。

 世界を股にかけて戦ってきた東京五輪代表の豪脚がさく裂した。真杉匠(23=栃木)が全開で駆け、隊列は一本棒。最終ホーム7番手に置かれた脇本を見て、二段駆けに屈した3月のウィナーズカップ決勝のシーンが多くの人の頭をよぎったことだろう。

 しかし今回の脇本はひと味違った。グングン加速すると反撃に転じる別線の横を続々と通過し、先頭でゴール板へ。「苦しい展開だったし自信はなかった」と語るが、敗れたライバルたちは「ワッキーが強すぎた」と口をそろえたように〝完勝〟だった。

 東京五輪を終えてからは、本人が何度も「完調ではない」と言うように、最高レベルに仕上げたときに比べると脚力では劣るのかもしれない。しかし「戦う気持ちが完全に戻ってきた」脇本に怖いものはない。骨盤奥深い箇所の疲労骨折で〝引退〟の2文字がチラついた時期もあったが、もう、過去の話だ。

 これで2月全日本選抜の古性(優作・31=大阪)に続いて、近畿勢がGⅠを連勝。「古性君が良い流れを作ってくれたし、それを切らさなくて良かった。これからも一戦一戦、目の前のレースを走りながら体を戻して、力を付けていきたい」

 やはり今年は近畿の年になりそうだ。