MCを務めた「バイキングMORE」が終了したばかりの俳優・坂上忍(54)が4日、千葉・袖ヶ浦市内に動物保護ハウス「さかがみ家」をオープン。4500坪の広大な土地を購入し、1500坪の建物を建てた。かねて犬猫の殺処分問題や保護活動に尽力してきたが、今回はボランティアというわけではない。坂上は「利益を出さないといけない」と強調。そこには日本の保護活動の課題が横たわっていた――。


「これ、『バイキング』やっている時より忙しくなるかもなぁと覚悟しましたね」

 そう語ったのは坂上だ。8年間、MCを務めた昼の情報番組「バイキングMORE」を今月1日に終えたばかりだが、休む間もなく新たな挑戦に向けて歩みはじめた。

「今朝も3時半に目が覚めました。本当は4月2日から10日まで休もうと思ったけど、いろいろあって…」とグチるが、時間はいくらあっても足りない。

 坂上は袖ヶ浦市内に4500坪の土地を購入し、うち1500坪に動物保護ハウス「さかがみ家」を建設。3月14日に「一般社団法人さかがみ家」を法人登記した。

 事業内容は、飼い主のいない犬猫の保護活動。欧米が保護犬・保護猫に手厚い環境なのに対し、日本はほぼボランティアのような形で何とかやっているのが現状だ。

「番組で米国のシェルター(保護施設)を見学させてもらいましたが、日本とは比べ物にならなくてガク然としました。向こうは十分なスペースと犬猫用の医療施設も隣接している。セレブが日本とはケタが違う額の寄付をするので。日本はみんな一生懸命やってくれていますが、採算度外視というか、善意でやっている感じ。それだと続かないと思うんですよね」

 だからこそ坂上は保護活動の収益化にこだわるつもりだ。

「きちんとしたビジネスモデルを作らないといけない。そのために自分の名前を利用してでも…と思っている。何とか収益化して『このやり方ならイケるよね』というところまで持っていきたい。それが軌道に乗れば、僕はあとは譲ってもいい。そこが区切りだと思っている」

 自身の知名度を利用し、保護動物への理解を深め、企業とは〝坂上プロデュース〟のドッグフード開発などで連携していく。自治体に掛け合い、医療費や助成金についても陳情していくつもりだ。

 そこまでするのなら、いっそのこと坂上自身が政治家になってもいいような気がするが、当人は「(政治家には)死んでもならない! それだったら代理の人を立てる」と即答した。

 5日には犬6匹、猫10匹が坂上ハウスに引き取られる予定。ゆくゆくは「キャリア」と呼ばれる難病を患う犬猫も引き受けるという。

「やっていることは『バイキング』と同じだと思ってる。いかに数字(視聴率)を上げるかで試行錯誤してきたけど、今回も挑戦。失敗したら存分に叩いてください」

 開業初年度は坂上の貯蓄からの〝持ち出し〟が当然増える。ハウスの年間維持費も数千万円単位でかかるという。

 それでも坂上は「僕は赤字が大嫌いなんですよ。だから、何としてもやり遂げたいと思っています。(第三者から)寄付も受けないつもりでいる。これは僕の覚悟ですね。もらってしまうと、おかしくなってしまう」と腹を決めている。

 なお、「さかがみ家」完成までの軌跡は、15日放送のフジ系「坂上どうぶつ王国」3時間スペシャルの中で明らかにされる。