【石原結實 食の金言】話は少し旧聞に属するが、2002年、日本臨床内科医会が行った1万2821人の糖尿病の調査がある。

 HbA1c値(2~3か月の血糖の平均を表し<4・6~6・2%>が正常)の平均値は、日本酒を

 飲まない人 7・12%

 1合未満飲む人 6・93%

 1~2合飲む人 7・03%

 3合以上飲む人 7・31%

 となっており、アルコール、とくに糖分を多く含む日本酒は「糖尿病患者にとって禁忌」とする一般常識が覆された。

「酒を飲まない人」より「2合までなら飲む人」の方が、血糖値がうまくコントロールされた理由を小生はこう考える。

 ①飲酒によりストレスが取れる(ストレスがかかると副腎髄質よりアドレナリンが分泌されて血糖が上がる)

 ②飲酒により、すい臓を含め全身の血流がよくなる(すい臓の血流がよくなって、インスリンの分泌が増える。全身の血流がよくなり、体が温まり、血糖の燃焼がよくなる)

 前回、挙げた酒(アルコール)の効能は、内外の文献を渉猟すると、日本酒2合に換算して、ビール中びん2本、ワイングラス2~3杯、焼酎水割り3~4杯…くらいの「適量」で発揮されるようだ。

「一盃は人酒を飲み 二盃は酒酒を飲み 三盃は酒人を飲む」は昔の人の経験が科学的にも正しいことがわかる。「酒は飲んでも飲まれるな」こそ金言である。

 ◆石原結實(いしはら・ゆうみ)1948年、長崎市生まれ。医学博士。イシハラクリニック院長として漢方薬と自然療法によるユニークな治療法を実践するかたわら、静岡・伊豆でニンジンジュース断食施設の運営を行う。著書は300冊超でベストセラー多数。最新作は「コロナは恐くない 恐いのはあなたの『血の汚れ』だ」(青萠堂)。