サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」のエースとして長く活躍したINAC神戸のMF澤穂希(37)が27日、川崎市の等々力陸上競技場で行われた皇后杯全日本選手権決勝の新潟戦に臨み、チームを5度目の優勝に導く決勝ゴールをマークした。

 0―0で迎えた後半33分だった。MF川澄の右CKを頭で合わせてゴールを決め、両手を上げてガッツポーズ。1―0のまま試合は終了し、試合後にはチームメートから4回胴上げされた。

 まるで引退の花道を飾るための台本があったかのような展開だ。女子サッカー界の〝レジェンド〟は「川澄選手のボールがよかったので当てるだけでしたけど、決められた。狙っていたゴールを決められて現役最後、有終の美を飾れて素直にうれしく思う。チーム一丸となって目標を達成できてうれしく思う。たくさんの方に感謝している。とにかく優勝できてよかった」と喜びを語った。

 抜群の勝負強さは最後まで健在だった。2011年ドイツ女子W杯決勝の米国戦でも、延長後半12分に同点ゴールを決めるなど、ここ一番で大仕事をやってのけるのが、澤のストロングポイント。この日は一進一退の流れでどちらに勝利が転がり込んできてもおかしくはなかったが、澤の勝負強さが勝負を分けた形だ。

 中学時代から澤を知る松田岳夫監督(54)も「苦しいときの澤。偉大な選手だと思うが、来年、澤がいないと考えると失ったものは大きいと実感している」と改めて脱帽した。

 澤は「また来年、グラウンドで走っている気がするけど、最後に優勝できてよかった」と未練らしき言葉を残したものの、「今日の試合を終えて、よりいっそう、悔いがないなと思えた試合だった」と言い切った。気になる今後に関しては「まずは心と体を休めてから、ゆっくり考えていきたい。日本のスポーツ界で自分にしかできないこともあるので、ゆっくり考えてやっていけたらと思う」と語った。