昨年末の総合格闘技イベント「RIZIN.33」の久保優太戦を巡って注目が集まる人気ユーチューバーのシバター(36)が一連の報道に応える形で〝真実〟を明かした。

 シバターは8日未明にタイトル「お騒がせしました」で動画を更新。久保戦を巡っては様々な報道がされている。冒頭で「全部説明するのは嫌なんだけどね。観ている人に考える〝余白〟を与えるのが格闘技、プロレスの楽しみ方だと思うから」と前置きするも、シバターのとった行動の「意味」を語り始めた。

 バタバタの末に決まった久保戦だが、HIROYA戦とは違い手の内が完全にバレている状況などを把握していて「めちゃくちゃ勝率が悪い」と判断。「何とかして勝てないか、と考えに考え抜いて。その結果、相手に油断させる(作戦を取った)」という。「やる気がない」「顔面を打たれると左半身がしびれる」など、公開した動画はすべて、久保を油断させるためのブラフ。それに加えて、台本などの提案もすべて作戦だった。

 ユーチューバー・コレコレが久保から受け取り世間に明らかになったシバターと久保との会話にも言及。RIZINの承諾や、ほかの試合でも台本の存在もにおわせたが、これは久保を信じさせるための「脚色」だったと明かす。直前にラインで「1R目は流しで2R目から本気で」としたのも、誓約書などを書かせない一方で、ブラフをリアルにするために「考える隙」を与えなかったシバターの作戦だった。

 ただ、それでも「久保さんの事を完全にはダマせたと思っていなかった」とシバター。台本に乗じて「ガンガンに潰しに来る可能性」も頭の中にはあったという。

 いざ試合がスタートするとそこからは腹の探り合い。「1Rは流してくれそうな感じだったけど…ガンガン、カーフキックを利かせてきた。カーフを利かせておくことで、(2R目に)タックルしにくくなる。(台本があったとしても)シバターを倒しに来る下地を作ってんな、コイツと。距離もガンガン詰めてくるし、遊びを許さない感じだった」とシバターは感じたところでスイッチが入った。「あとは見ての通り。右フックが入って(久保がフラッシュダウンして)焦って首相撲に来て。それで僕の飛びつき腕十字が入った」。

 最後にはこの問題の核心について語る。

「正直、この作戦をいろんな人が汚いだの、スポーツマンシップに反するだの、言ってはいるが、ガチンコでやったら、勝率は10%もなかった。僕が勝つためにはそれしかなかったし、そして、僕は勝ちたかった」。直前で皇治戦が流れたことで運営側にも不満を感じていて「全部含めて、ペテンにかけて、食ってやりたかった。それで一世一代の大ブラフをかましてやった」と正直に告白。

 さらに「僕の方が久保さんより勝ちたいという気持ちの方が強かった。みんなほかのプロは『(正々堂々と)勝ちたい』『(男らしく)勝ちたい』とかだろうけど、オレは『(何をしてでも、どんなに卑怯なことをしてでも)勝ちたい』だった。その気持ちの違いなんじゃないかな」と執念の差を強調。久保には「久保優太、完全にお前の負けだよ。ごちゃごちゃ言ってんじゃねえ」と一刀両断。世間には「文句があるなら、このコメント欄に書き込んで、炎上の火を絶やさないでください」と挑発。シバターなりの「プロ」としての矜持を示した。