東京映画記者会(本紙など在京スポーツ紙の映画担当記者で構成)が投票で選ぶ「第61回ブルーリボン賞」の各賞が20日、決定した。古希を前に映画「終わった人」で主演男優賞を受賞した舘ひろし(68)は7紙合同インタビューで、所属プロの「石原軍団」を「大根役者軍団」と例えた。

 映画で賞をもらうのは、68歳にして今作が初。「受賞はくすぐったいというか、慣れない」と言うのも分かるが、それだけに喜びもひとしおだ。

「表彰される人生を送ってこなかったので…。でも石原や渡もいただいた賞をもらうということは意味があるというか、半歩だけ2人に近付けたのかなという気持ちがあります」

 所属の「石原プロモーション」は、舘が名前を出した故石原裕次郎さんや渡哲也が長くけん引してきた。所属俳優たちは「石原軍団」と総称されるが、舘はなんと「ウチらは大根役者軍団」と言い切る。「その大根役者が賞をもらえた。渡からは『ひろし、よかったな。お前は大根の花を咲かせたんだ』という言葉ももらいました」

 渡まで“大根”と思っていたとは驚きだ。俳優として十分キャリアがありながら「僕はとにかく自分の芝居に自信がないんです。それは今でもです」と舘は謙遜する。

 受賞作「終わった人」で演じたのは、定年を迎えた元エリート・田代壮介。タイトル通り、彼の悲哀が描かれた作品だ。ハードボイルドなイメージの強い舘にとっては挑戦だったが、昨年のモントリオール国際映画祭でも最優秀男優賞を受賞するほど評価された。

「この受賞は恭様のおかげ」だそう。「恭様」とは、1980年代後半、ドラマや映画でシリーズ化された「あぶない刑事」で共演した柴田恭兵のことだ。熱血刑事タカ(舘)と、とっぽいエリート刑事ユージ(柴田)の名コンビは当時、大人気だった。

「実は僕は、恭様の軽妙な演技に憧れていたんです。最初は“変な芝居だな”と感じていたんですが、あのナチュラルで軽さのある芝居に嫉妬をしていたんですね。石原プロには全くない芝居でしたから。でもそれがリスペクトに変わった。それを吸収できて、今回の芝居につながりました」

 3年前の映画版で“あぶデカ”は完結しているが、舘はまだ終わっちゃいない。