かつて男性たちの間で絶大な人気を誇った「日活ロマンポルノ」が28年ぶりに復活、来年には新作が上映される予定であることが本紙の取材で分かった。さらに、過去のロマンポルノ2作品が、15歳以上が観賞できる「R15+」指定として映画倫理委員会(映倫)に再審査され、映画館で高校生でも観賞できるようになったことも判明した。一度は衰退したロマンポルノがなぜこのご時勢に復活するのか?
ロマンポルノは大手映画会社の日活が1971年にスタート。白川和子(67)主演の「団地妻」シリーズなどが人気を博した。ほかにも宮下順子(66)、美保純(54)などの人気女優を輩出。88年に終了するまで約1100本もの作品を送り出した。2010年には2作品がリメーク公開されている。
このほど「ロマンポルノリブート(再起動)」と銘打たれ、焼き直しではなく新作を製作することが決定。劇場関係者によれば「すでにウワサを聞きつけ、『ウチでも上映したい』と問い合わせている関係者もいるようです」と、復活に色めき立っているという。
過去のロマンポルノは「低予算」「短い製作期間」「上映時間は70分ほど」と、決して条件は恵まれていなかったが、若手監督は逆に自由に製作できる環境を得て、ロマンポルノをステップに多くの監督が巣立っていった。09年にアカデミー賞外国語映画賞を受賞した「おくりびと」の滝田洋二郎監督(59)など、世界に通用する監督も輩出している。
「ロマンポルノは単なるエロ映画ではない。あくまで本番行為はなく『いかにセックスしているように見せるか』にこだわって撮影されている。それゆえ、若手監督にとっては腕を磨く格好の場になった。当然ストーリーも練り込まれ、心理描写の細かさや撮影技術のこだわりなどが生まれた。芸術性が誕生したわけです」(映画関係者)
ロマンポルノを再評価する動きは日本より海外の方が先だった。前出映画関係者は「フランスではロマンポルノは芸術として正当に評価されています」と話す。
「ロマンポルノは“女性をいかに美しく撮影するか”ということにこだわっている。愛とセックスは切っても切れない関係にある。その人間らしさをちゃんと描いていることがフランス人の感性に合った。日本人の監督の演出など、撮影技術も評価されています」(同)
ハリウッドの鬼才クエンティン・タランティーノ監督(52)は、ロマンポルノを代表する女優・風祭ゆき(61)の大ファンで、自身のヒット作「キル・ビル」に出演させていることは有名だ。
別の映画関係者は「(ロマンポルノが製作された)当時はまだ日本社会が性に閉鎖的で、ロマンポルノの『エロさ』だけが強調されて批判も多く、裁判になったこともありました。でも現在は日本も性にオープンになり、『作品』として見る環境が整った。いまの日本映画界は、漫画原作やアイドル役者の薄っぺらい恋愛映画が幅をきかせて斜陽の一途だが、ロマンポルノ復活がそんな業界に一石を投じるのでは」と指摘した。
そんな動きを受け、映倫も故神代辰巳監督の「恋人たちは濡れた」「四畳半襖の裏張り」の2作品を「R18+」指定から「R15+」指定とし、高校生でも映画館で観賞可能となった。
ロマンポルノ復活が低迷する日本映画界の救世主となるかもしれない。












