大相撲の元横綱日馬富士(33)による幕内貴ノ岩(27=貴乃花)への傷害事件に関連した報道が過熱する中、またも信じられない暴走劇が見られた。19日、大相撲の元横綱大鵬(故人)の孫で、埼玉栄高3年の納谷幸之介(17)が大嶽部屋への入門会見を行ったが、その中でフジテレビが今回の一連の騒動について本人に質問。同校相撲部の山田道紀監督が激怒する一幕があった。20日の日本相撲協会臨時理事会の結果をめぐってさらなる混乱も予想される状況で、後味の悪さだけが残った。
大横綱・大鵬の孫で父は元関脇貴闘力という血筋。今年3月の全国高校選抜大会を制し、国体の少年では個人、団体の2冠に輝いた大器とあって、会見には38社、約50人のメディアが集結した。190センチ、160キロという恵まれた体格を生かした押し相撲を武器とする納谷は「小さいころからの夢。幕内でしっかり活躍できる力士になりたい」と意気込みを語った。
その後に行われた質疑応答の時間は穏やかなムードで進んだが、一つの質問で会場の空気が一変した。
「先場所から土俵外の問題で相撲がメディアなどで取り上げられていたと思いますが、納谷君ご自身、テレビとか新聞とかでそういうのをご覧になって何か思うこととか、見て思ったこととかがあれば教えてください」
この質問をしたのはフジテレビ。会見の趣旨とは明らかに異なるものとあって、山田監督がさえぎる形で「フジテレビさん、思うんだけど、ここで聞くような問題じゃないと思うんですよね」とピシャリ。険しい表情で「学校の寮では一切ワイドショーを見ていない。以上!」と強い口調でたしなめた。その後は再び質疑応答が続けられたが、このやりとりの間だけは異様な雰囲気に包まれた。
納谷は来年1月10日の新弟子検査を受け、合格すれば初場所(同14日初日、東京・両国国技館)で初土俵を踏む予定で、しこ名は本名の「納谷」となる見込み。だが、今後の飛躍を誓った晴れの舞台に思わぬ形でミソがついてしまった。
元横綱日馬富士による貴ノ岩への暴行事件は当事者だけの問題を飛び越え、今では貴ノ岩の師匠の貴乃花親方(45=元横綱)に話題が移った。協会改革を狙う貴乃花親方と八角理事長(54=元横綱北勝海)の対決構図や横綱白鵬(32=宮城野)との確執など、民放テレビ各局はワイドショーだけでなく、通常のニュース番組内でもさまざまな報道を続けている。ある民放関係者は「これはたぶん初場所まで続くし、場所中も場所後も終わらない」と長期化の見通しを明かした。そんな中で「時間をかけても力をつけていく」と話した納谷だが、騒がしすぎる周囲のせいで気の毒な第一歩となってしまった。












