波乱の幕開けだ。フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第1戦のスケートアメリカ(米ラスベガス)の男子ショートプログラム(SP)が22日(日本時間23日)に行われ、世界王者で大会5連覇を狙うネーサン・チェン(22=米国)が冒頭のジャンプで転倒。82・89点に甘んじて4位発進となった。一方、平昌五輪銀メダルの宇野昌磨(23=トヨタ自動車)は89・07点で2位、佐藤駿(17=フジ・コーポレーション)が80・52点で5位。首位に立ったのは97・43点と高得点をマークしたビンセント・ジョウ(米国)だった。

 演技を終えた王者・チェンは手で顔を覆い、天を仰いだ。最終滑走者として大きな声援に包まれて登場したが、この日は明らかに精彩を欠いていた。冒頭の4回転ルッツで転倒すると、後半の連続ジャンプでも体勢を崩した。スピンとステップはレベル4としたが、2つのジャンプミスが響いて4位。平昌五輪5位から3年8か月も負け知らずの絶対王者がピンチに立たされた。

 宇野は冒頭の4回転フリップが抜けて2回転となった。その後は3―4回転の連続トーループ、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を成功させてフィニッシュ。首位と8・36点差として逆転Vを狙う。