【病院通いになる前に健康寿命をのばす! プレメディカルケア】

 延べ5万人の体の悩みを聞き、メンテナンスを行ってきた新進気鋭のスポーツトレーナー・永井正彦氏による健康アドバイス。実際の事例をもとに解説します。

【お悩み】趣味でカメラを始めたら、なぜか足が痛くなってしまいました。(60代男性)

【アドバイス】お出かけ前に四股を踏むことを習慣にしてみてください。

【解説】定年後、地元の合唱団に入る予定だった男性は、コロナ禍で活動再開のめどが立っていないので、新たな趣味として写真教室に通い始めたとのこと。この方のように、コロナ禍の影響で「ひとり趣味」を始める方が増えたと実感しています。

 中でも人気があるのは世代を問わずカメラ、サイクリング、ゴルフといったところでしょうか。ゴルフはひとり趣味ではありませんが、オープンスペースでできることに安心感があるのかもしれません。
 実はこの3つの趣味は「しゃがむ」と「かがむ」という動作が多いことが共通しています。自転車は乗り降り時にヒザを使い、ゴルフも最初のポジショニングがスクワット姿勢から始まるといったように、股関節が起点となります。運動に見えないカメラも、撮影に熱中するとスクワット状態になります。コロナ禍になってから使う機会が減ってしまっていた股関節を急に使う人が増え始めているため、足の痛みを訴える人も増加傾向にあるのです。 

 足がつる、ヒザが痛い、股関節がつる、お尻が痛いといったような足周りに関する痛みの解消としては、力士が行っている四股をオススメします。力士のようにゆっくり足を上げながらしっかり体重をかけて下ろすのがベストですが、最初のうちは壁に寄りかかりながら、もしくは椅子の背もたれ等につかまりながら、片足ずつゆっくり上げてみるのでも構いません。

 1日2~3回、四股を踏むことで、左右のふらつきがあるご年配の方だけではなく、若い方もバランス感覚を身につけることができます。

 忙しい方なら出かける間際に1~2回程度、浅く踏むだけでもOK。実際に四股を踏んでから歩き始めるだけで、足首やヒザの痛みも和らげることができるので、ぜひ試してみてください。

 ◆永井正彦(ながい・まさひこ)1980年6月28日、東京都生まれ。スポーツトレーナー。2005年に都内でスポーツ整体「プレメディカルケア」を開業。パラ水泳の宮崎哲選手や津川拓也選手のパーソナルトレーナーも務めている。