弁護士ユーチューバーで、アトム市川船橋法律事務所の高橋裕樹弁護士が11日、自身の公式ユーチューブチャンネルを更新し、参院選で暴露系ユーチューバーのガーシーこと東谷義和氏(50)が当選したことを受け、法的側面から東谷氏の今後を解説した。

 高橋氏は東谷氏が働いたBTS詐欺での弁済金支払いの窓口役のほか、俳優・新田真剣佑の借金問題でも代理人を務めている。4月に代理人に就任してから、わずか3か月で国会議員へのなりあがりを目の当たりにした高橋氏は「感慨深い。確変的事態に立ち会わせていただいている。かなりレアなケース」と驚きを隠せない。 

 東谷氏はBTS詐欺で被害者と示談が成立しているものの警察が捜査に動いており、「不当に逮捕される可能性がある」と帰国を拒んでいる。注目されているのは「不逮捕特権」が適用されるかどうかだ。

 国会議員は憲法で、議院内での発言で責任を問われない「免責特権」、歳費を受ける「歳費特権」の特権に加え、「不逮捕特権」の3大特権がある。

 高橋氏は「国会会期中は逮捕されない特権で、日本に帰ってきても基本は逮捕されないが、例外はある」と指摘。現行犯逮捕された場合と参院で逮捕が許諾された場合は会期中でも逮捕される可能性はあるという。

 また東谷氏がドバイに滞在したまま帰国しないで、国会に登院しないことで、参院で除名決議が行われる事態も想定される。

「3分の2が除名をよしとするとその地位を追われるが、これで除名される確率は低い。また議員辞職勧告決議も法的拘束力はない。正直、自分で辞める以外は議員の地位は保障される」とバッジをはがされるような事態は起きないとみる。

 高橋氏は「任期が開始して、日本に帰ってくるかどうか。果たして逮捕されるか。法律的問題が生じた場合、身近な一人として解説していく」とサポート態勢を敷く考えだ。