作家の雨宮処凛氏(47)が9日、国会内で行われた「立憲主義の理念を共有する野党の勝利で、いのちとくらしを守る政治の実現を―参議院選挙に向けた市民連合シンポジウム―」に出席した。

 同シンポジウムには、国民民主党(玉木雄一郎代表)とれいわ新選組(山本太郎代表)以外からの立憲民主党を始めとした野党幹部が出席した。

 雨宮氏は「コロナ禍で深刻化する貧困」と題したリポートを野党議員に紹介。2020年に「反貧困ネットワーク」の呼びかけで「新型コロナ災害緊急アクション」を結成してメールフォームを立ち上げると「コロナで職を失い、家賃滞納、アパートを追い出される」といった〝SOS〟の声が現在も入るという。

「16年間、貧困問題に関わっています。この2年は毎日が〝野戦病院〟のような状況です。83%が住まいなし、50%が携帯が止まっています。こういう人たちは10~30代で60%以上を占めて若年化しています」(雨宮氏)

 目立つのは女性の困窮だという。2020~21年、コロナ被害相談村には3日間で344人が訪れ、うち女性62人(18%)、2021年から22年は同村に2日間418人のうち89人(21%)が女性による相談だったという。

「この2年間、非正規でなんとか家賃払って自立している人たちが(仕事を)切られて路上に追い出されるのを目の当たりにした。13年前までは、女性を守る余力が社会にまだあったが、でもそんな余力は、もうとっくのとうに消え去ったんだとわかりました」

 今夏の参議院が終われば「3年間、選挙がない」(社民党・福島瑞穂)と指摘したが、雨宮氏は選挙に向けて野党幹部らにこう訴えた。

「3年後の2025年、私は50歳です。非正規が多く生まれた就職氷河期世代の〝ロスジェネ〟です。この20何年間、(自公を中心とした)政治は何をやってきたのか。私は焦りを感じるので、この焦りをみなさん(野党各党)と共有したいと思います」

 野党各党は自民党、公明党が高い支持率の中、参院選で有権者にどうジャッジされるか。