参院選で最大の激戦区とされる東京選挙区(改選数6)で主要政党の顔ぶれが固まってきた。東京は参院選の命運を握ると言っても過言でない注目区で、今回は女性候補が火花を散らす情勢で、あの“女王様”が陥落ピンチとなってきた。

 れいわ新選組の山本太郎代表(47)は11日、東京選挙区にトランスジェンダーで新宿区議のよだかれん氏(50)の擁立を発表した。よだ氏は36歳の時に男性から女性に性を変えたトランスジェンダーで、2019年の新宿区議選では上位となる4位で当選。LGBT政策のオピニオンリーダーとして知られ、他党も擁立に動いていた中、れいわを選択。山本氏は「東京選挙区は必ず取りに行きたい場所。(よだ氏は)多様性の象徴だと思っている」と目を細めた。

 他党も力が入っている。自民党は現職のビーチバレー元日本代表の朝日健太郎氏(46)に加え、元「おニャン子クラブ」の生稲晃子氏(53)を擁立。また立憲民主党は蓮舫氏(54)、弁護士の松尾明弘氏(47)、公明党は竹谷とし子氏(52)、共産党は弁護士の山添拓氏(37)を送り出すほか、日本維新の会は元プロスノーボーダーで大阪市議の海老沢由紀氏(48)を擁立する方針を固めている。さらに国民民主党と連携するファーストの会が荒木千陽氏(40)をスタンバイしている。東京は無党派層をいかに取り込むかが当選のカギとされる。最も影響を受けるとされるのが、6年前の同選挙区で、100万票超えで圧勝した蓮舫氏だ。維新やれいわ、ファーストの会が今回台頭し、自民党が男性(中川雅治氏)からタレントの生稲氏へと大胆にシフトチェンジしてきた。

「知名度は蓮舫氏が圧倒的ですが、選挙データとしては12年前に過去最多となる171万票も得票したものの6年前は112万票まで減らしています。他党が軒並み女性候補を擁立してきて、影が薄くなる蓮舫氏はさらに票を減らす可能性があります」(永田町関係者)

 蓮舫氏は党での役職から外れ、露出も減っている。蓮舫氏からこぼれ落ちる無党派層の票を各党が狙っており、これまでのような“女王様選挙”とはいかない雲行きだ。