中国の厳しいゼロコロナ政策をもってしても上海では感染拡大中だが、なぜ北朝鮮は「ゼロ」なのか? 鎖国が奏功したとの見方もあるが、ここへきて新説が。「国産の“飲む消毒薬”が幹部から庶民まで普及し、ワクチン代わりになっているのではないか」(民間の北朝鮮研究者)というものだ。その根拠とされるのが、北朝鮮から日本に流れ着いた、あるゴミ。

 聞けば、正恩氏の治世になり、北朝鮮製の歯磨き粉チューブやボトル容器といった生活ゴミが多数、日本海沿岸に漂着するようになった。その量は、鎖国が始まったころから一時急減したが、最近になり「『イオン銀水』なるペットボトル入りの消毒薬が見つかった」という。

 ラベルには「強力な抗菌作用。飲料水消毒とアルコール解毒に特に良い」と記載。効能は「飲料水の長期保存、腸内細菌性疾病の治療に使う」と書かれている。どうやら飲料水に混ぜて飲む“消毒薬”のようだ。純水に銀イオンが溶けた状態の「銀イオン水」だとみられる。

 確かに銀イオン水は、対コロナの有効性が国内外で研究されている。アルコールと同様、手にシュッと吹きかける消毒液として実用化した商品もある。だが、口から入れるのは安全で、本当に効果があるのか? 前出研究者は「拾ったボトルの中に実は液体が少し残っていたが、飲む気にはなれなかった」という。

 そんな北朝鮮では11日、正恩氏が朝鮮労働党トップに就任し10周年の節目を迎えた。15日は正恩氏の祖父で建国者・金日成主席の生誕110年。国内はお祭りムードだが、祝砲として弾道ミサイルの発射、また核実験の動きが予想され、国外はいい迷惑だ。