恐怖の大穴が閑静な住宅地に出現!1か月以上前からあった「予兆」

2020年10月19日 11時49分

ぱっくりと中が丸見えになっている大穴(住民提供)

 土地の神様のたたり? いや、こればかりはそうではなさそうだ。東京都調布市の住宅街に突如出現した大穴と、東京外郭環状道路(外環道)との関連を疑う声が地元で高まっている。この地域の真下は外環道のトンネルが通ることになっている。住民たちによると、原因不明の振動や騒音があり、道路のひび割れもあった。大穴の原因によっては国家プロジェクトであるリニアにも影響が出かねない。

 陥没で大穴の開いた現場は京王線つつじヶ丘駅から南東に約400メートルの住宅街にある市道。住民らによると穴の大きさは長さ約5メートル、横幅約2・5メートルで深さは約5メートルほどあり、道路だけでなく、一部が民家の建物の下にも広がっている。内部には水がたまっていたという。

 一体、何が原因か。土地の神様の怒りによるものなのか、何か心霊現象によるものなのか。そうだとすれば関東武士の悲しい伝説があっても不思議ではないが、住民らは口を揃えて「東京外環道だ」と指摘する。

 外環道とは都心から約15キロの地点を環状に結ぶ高速道路で、この地域では外環道のうち東名高速と関越道を結ぶ区間のシールドトンネル工事が地下40メートルより深いところで行われていた。この住宅街の真下には直径16メートルもの穴が通っているのだ。

 住民の年配男性は「歴史は古い。1960年代に高架で造るという話があって、住民の反対運動で止めたんです。それが石原慎太郎都知事時代に復活したんですよ。今度は地下に造ることになりました。もちろん反対したのですが、“大深度法”ができて、地上に住む人たちの許可なしで地下の工事ができることになったのです」と話した。

 大深度法とは「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」のことで、地下40メートル以深の公共利用についての法律。三大都市圏(首都圏、近畿圏、中部圏)の一部が指定されており、同法が適用される場合は地上に住む人の許可がいらない。国土交通省のホームページによると、「大深度地下は通常利用されない空間であるので、公共の利益となる事業のために使用権を設定しても、通常は、補償すべき損失が発生しません」とある。

 地上の人に補償がないと読めるが…。同年配男性は「我々住民の許可なくトンネルが掘れるんですよ。許可がないのだから、補償だってないですよ」と吐き捨てる。説明会はあったが、反対意見は聞いてくれなかったという。

 大穴の兆候はあった。1か月以上前に地下からゴーンという騒音とともに振動が生じ、それが1週間続いたという。この時期に真下でトンネル工事が行われていた。住民によると、道路にひび割れができ、住宅の壁のタイルが落ちたこともあったという。工事が原因かどうかは分かっていないが、異変がこの地域を襲っていたのは確かだった。

 別の近所住民は「以前に家屋調査というのをやりました。住宅の写真撮影などをしておいて、もし工事後に何かあったら写真と見比べて、場合によっては修理してもらえるという話でした。とはいえ、何かあった原因が工事なのかどうかというのは、裁判をやって司法の判断に委ねることになりますよね」と不信感ものぞかせる。

 東日本高速道路はトンネル工事の一時中止を発表。原因の調査をする。

 ほかに大深度法が適用されている大きな工事には、東京と名古屋、大阪を結ぶリニア中央新幹線がある。工事と大穴に因果関係がありとなれば、全線のほとんどが地下になるリニアに飛び火もあり得る。 

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