コロナ感染再拡大でも恐怖の司令塔不在

2020年07月27日 14時00分

 新型コロナウイルスの感染再拡大が止まらない。日々発表される全国の新規感染者数は、23日に過去最多の981人、26日にはこれに次ぐ835人を記録するなど増加傾向だ。政府は国内旅行喚起策「Go To トラベル」を東京を除外して強行し、4連休が終わった。各地でクラスターが発生し、各自治体はすでに第2波が来ているのではないかと懸念するちぐはぐな状態が続く。〝アクセルとブレーキを同時に踏んでいる〟国と自治体の現状があらわになった。

 このままでは「Go To トラベル」が、本当に〝Go To トラブル〟になりかねない!?

 全国の新型コロナ感染再拡大に対する警戒感が一層高まっている。東京都では23日に過去最多の366人の感染者数を記録。26日は239人で6日連続200人超となった。愛知、大阪、福岡などでも過去最多の感染者数を記録し、福岡県の小川洋知事(71)は「数だけを見れば第2波が来たと言わざるを得ない」と話すなど〝第2波襲来〟を予感させた。

 一方、政府は「医療体制はひっ迫していない」として、ウイルスを拡散させると批判を浴びた「Go To トラベル」を東京都を除外し、22日から強行。小池百合子都知事(68)が23日からの4連休を前に「外出はできるだけ控えてほしい」と訴えたのとは対照的に、国は経済回復を優先している。

 そんな中、北海道・札幌の歓楽街すすきので、いわゆる〝夜の街関連〟のキャバクラなどでクラスターが発生した。

「すすきのでキャバクラといえば、いわゆるセクキャバのこと。普通のキャバクラと違ってキスやおっぱいのお触りといった密着行為がOKで、10分ほどで女性がローテーションしていく。もちろん感染対策はしているはずだが、サービスの特性上、クラスターができる可能性は高い。今回クラスターが発生した店も密着系サービスといわれている」(風俗ライター)

 1セット40分6000~8000円からという格安料金がウリで、全国から人が集まる有名店もあるという。常連客のなかには同じような店をハシゴする人もいるなど、今後のさらなる感染拡大が懸念されるところだ。

 こうした〝夜の街〟におけるクラスター発生の危険性は、どこの歓楽街も例外ではない。小池都知事から名指しされた新宿・歌舞伎町と池袋の歓楽街では、4連休の2日目の24日夜に警視庁と都職員が風営法に基づき店舗を調査した。

 ホストクラブなどを対象とし、感染拡大防止のガイドラインを順守しているかどうか、実施状況を確認したが、本来、風営法は営業時間や区域を規制する法律だ。

 衛生面に関しては対象外とあって、警察内部からも「越権行為ではないか?」との声も上がったという。ホストクラブ関係者からは「やりすぎではないか。やるならホストクラブ以外の店や歌舞伎町以外のエリアでもやってほしい」との不満も漏れた。

 一方、飲食店関係者たちも不満を隠せない。
「小池都知事が『飲食店に入るときはこのステッカーがあるところへ』と盛んに喧伝していた虹のマークの『感染防止徹底宣言ステッカー』って意味あるんですか? ステッカーを貼っていながら3密で営業している店もある。まじめに対策している我々からしたら、同列に扱われるのはバカバカしくて腹が立つ」(歌舞伎町の飲食店関係者)

 ステッカーは、都のホームページから感染拡大防止のガイドラインを守っているか、自己申告すれば簡単にダウンロードできてしまう。極論を言えば、ウソの申告でも「感染防止徹底宣言」と書かれたステッカーを店に貼り出せるわけだ。抜き打ち検査のような形で調査しなければ、単なる絵に描いた餠になっている可能性もある。

 西村康稔経済再生担当相は26日、企業に「在宅勤務率70%を目指して」などを今後、要請するとし、週内にも対策分科会を開くとしたが、国と自治体で現状認識に大きなズレがあり「車のアクセルとブレーキを同時に踏んでいる状態」(行政関係者)で、各自治体の政策にも穴があるなど、ちぐはぐ感が否めない。〝司令塔不在〟などとやゆする声も聞こえている。