コロナで苦しむ外国人技能実習生 婚活サイト利用しSOS

2020年06月10日 16時15分

 新型コロナウイルスの余波がここにもあった。海外から技術移転を目的として日本に働きに来ている「外国人技能実習生」たちがコロナで苦しんでいる。工場で働く実習生たちが大量解雇されたり、飛行機が飛ばず帰国の予定が狂ったりと、悪いことばかりが起きている。婚活をする40代男性は「婚活サイトにも実習生がいます。コロナ後は“援助”希望が多くなりました」と困窮ぶりを明かす。きちんとした公的フォローが必要になっている。

 外国人技能実習生たちは働きながら技術を学び、報酬を得ることを期待して日本に来ている。しかし、実際の労働現場では長時間労働に低賃金、パワハラやセクハラなど数々の問題が指摘されてきた。実習生たちの過酷な現状のニュースを目にしたことのある人は多いだろう。

 9日にも北海道のキノコ工場から業務委託を受けた農業関連会社2社が、工場閉鎖を理由にベトナム人技能実習生17人を突然解雇し、うち14人が加入する札幌地域労組が「不当な解雇だ」と訴えていた問題で、2社側が同労組に解決金を支払うことなどで和解したことが判明した。実習期間満了前なのに協議もせず、実習生たちはいきなり解雇されたという。

 さらにコロナ禍までが実習生たちを追い詰めている。

 40代男性は婚活サイトで40代の中国人女性と知り合った。実習生として来日した女性は、某県にある刺し身のツマを作る工場で働いているといい、同じ実習生仲間と寮で暮らしている。

「日本に来るときにブローカーに約150万円の借金をしていて、しかも労働環境は事前に聞いていたより過酷だと嘆いていました」(男性)

 コロナの影響でその仕事すらストップ。収入もゼロになったという。

「だから彼女は、婚活サイトで知り合った男性に食料を援助してもらっているというのです。帰国したくてもチケットが買えないし、借金も消えませんからね」(前出の男性)

 この女性のように婚活サイトに登録する実習生が増えたというのだ。

 前出の男性は「3月下旬以降、増えた印象です。20代のベトナム人女性とも会いました。住まいが関東近郊で、交通費もないというので私から出向きました。『大学を卒業したけど仕事がないから日本に来た』と話していたけど、今では『早く帰りたい』と言っています。婚活サイトをしてるのは『助けてほしい』のもありますが、心細いんですね」と話した。

 婚活サイトでのメッセージのやりとりなら、コロナ後だけでもかなりの数になるという。

「プロフィルは東京在住なのに、実際に会おうとすると前橋とか宇都宮って言われて会えないこともある。実習生が働く工場や農場が地方にあるからなんでしょうね。なかには『ホテル行くので2万円いただけませんか』というメッセージが来たこともあります。“援交”目的もいるのです」(前出の男性)

 前出の中国人女性の友人には“エッチなことも辞さず”という覚悟で婚活サイトに登録している人もいるのだという。こうした苦境に付け込む男性が現れかねない。

 実習生事情に詳しい社労士は「実習生たちは日本語がうまくはないし、日本で相談する人もいないのです。行政の手当は不十分。政府や行政は実習生の置かれている立場をもっと知るべきです」と指摘した。

 受け入れておいてその後は知らない、という冷酷な態度は改めるべきだろう。