高1男子が拳銃自殺 気になる入手ルートに「ダークウェブ」浮上

2020年06月09日 16時25分

 拳銃はどこから――。緊急事態宣言に伴う学校の休校措置が解かれたばかりで、衝撃的な事件が起きた。8日午前8時ごろ、東京都八王子市内の住宅で、私立高校1年の男子生徒(15)が拳銃で自らの頭を撃ち抜き、自殺した。使用したのは米国のスミス&ウェッソン社製の回転式拳銃とみられる。自殺の背景とともに気になるのは、その入手ルート。事件に反社会的勢力が関わった痕跡はなく、謎は深まるばかりだ。一部では悪名高い「ダークウェブ」の存在もウワサされているが…。

 緊急事態宣言が解除され、学園生活にも平穏が訪れたと思った直後に、信じられない事件が起きた。

 高1男子が拳銃自殺――。米国ではなく、日本でのことだ。警視庁少年事件課によると、8日午前8時ごろ、東京都八王子市内の住宅で、この家に住む私立高校1年の男子生徒Aさんが頭から血を流して倒れているのを母親が見つけ、同15分ごろに通報した。

 Aさんは搬送先の病院で死亡。現場には銀色の回転式拳銃が落ちており、その後の調べでスミス&ウェッソン社製の純正品である可能性が高いことが分かった。

 Aさんの頭部には銃弾1発が貫通した痕があり、ほかにも銃弾が装填されていた。警視庁は自殺を図ったものとみて、経緯や入手経路、動機を調べている。遺書などは見つかっていない。

 Aさんは今春、市内の中学校を卒業し、都内の通信制高校に進学。4月6日に入学式があったが、コロナ禍で5月末まで休校となり、今月1日に再開した。週3回登校するコースに在籍。5月下旬から腹痛を訴えていたといい、1日に登校したのを最後に欠席していた。8日は病院を受診したあと、午後から登校する予定だったという。

「Aさんは親族に外務省のキャリア官僚が複数いる一家で育った。金銭的に不自由しているわけでもなかった。悩みを抱え込んでいるようにも見えなかったそうだ」(関係者)

 この日は千葉市内に住む男子中学生(14)もJR京葉線海浜幕張駅で、快速電車にはねられ死亡した。運転士がホームから飛び込む姿を目撃しており、自殺の可能性が高いという。動機は不明だが、学校再開のタイミングということで“コロナ鬱”との関連も取り沙汰されている。

 Aさんに関して言えば、自殺の背景とともに気になるのは拳銃の入手ルートだ。事件に暴力団など反社会的勢力が関与した可能性は低く、「高1男子がどうやって入手したのか」という謎は深まるばかり。一部では世界的な犯罪の温床とされる「ダークウェブ」の存在も指摘されている。

 ダークウェブとは匿名性と追跡回避を実現する技術を使用した特別なウェブサイト。専用の閲覧ソフトを使わないと見ることができず、匿名性が極めて高いことから、コンピューターウイルスの売買、違法薬物や銃などの殺傷兵器の売買、果ては人身売買までもが行われている。

 一般にネット上で物事を調べる場合、検索エンジンで言葉を打ち込み、ニュースサイトや企業の公式サイトなどを見る。それは「サーフェイス(表層)ウェブ」と呼ばれ、ネット上にあるウェブサイトのわずか数%にすぎないという。残りは検索に引っかからないもので、その中でもダークウェブはネットの深海部分だ。

 日本では2018年1月に暗号資産(仮想通貨)交換事業者「コインチェック」から約580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」が流出。盗んだ犯人は同2月にダークウェブを経由し、ほかの暗号資産に変換していた。

「当局が着目しているのは、Aさんのスマホのアクセス履歴。現在はネット上でも簡単にダークウェブへの入り方が検索できる。反社の人間を経由しないで米国社製の純正品を手に入れるのは、ルートが限られてくる」(捜査関係者)

 高校生がいとも簡単に拳銃を入手できるとなれば、大問題だ。

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