日本の至宝がついに本領発揮だ。スペイン1部レアル・ソシエダードの日本代表MF久保建英(21)は14日(日本時間15日)、リーグ開幕戦の敵地・カディス戦に先発出場。前半24分に衝撃の先制ゴールを決めた。これが決勝点となり、チームは1―0で勝利した。スペイン4季目となる今年、レアル・マドリードから完全移籍した新天地でいきなりの活躍に、スペイン各メディアは絶賛の嵐。カタールW杯(11月開幕)を控える重要なシーズンで、最高のスタートを切った。

 注目の開幕戦で、新加入の背番号14が圧倒的な存在感を発揮した。スウェーデン代表FWアレクサンドル・イサクとツートップを組んで先発出場した久保は、立ち上がりからドリブル突破や味方との好連係を見せる。すると前半24分、MFミケル・メリーノが出した右後方からのふわりとしたパスを左足でトラップ。これを利き足ではない右足でボレーシュート。鮮やかにゴールに突き刺した。

 仲間に祝福を受けた久保は、その後もボールを保持し攻めるチームでイキイキとプレー。後半34分に交代した。結局久保の値千金弾が決勝点となり、1―0で勝利。開幕戦を白星で飾った。

 久保は試合後、現地メディアに対し「今年は違うと思う。夏の間、ずっと仕上げに取り組んできた」とこれまでとはひと味違う自分を実感。「アルグアシル監督は僕に大きなプレッシャーをかけてきますが、それはいいこと。また、遠方から応援に駆けつけてくれたファンにも感謝したい」と語った。また、アルグアシル監督は久保について「デビュー戦のゴール。これが一番気に入っている。そして彼の関与。今日の試合の入り方だけでなく、来たときからそうだった。すでに私のことを知っているのか、説明を受けているのかわからないが、まるで3年前から一緒にいたかのような感じだ」とほめちぎった。

 移籍後初の公式戦で見せた久保のセンセーショナルな活躍に、スペインメディアは絶賛の嵐だ。「ムンド・ディポルティーボ」は「久保はメリーノの素晴らしいクロスを見逃さなかった。日本人は左足でボールをコントロールし、足をかえてボールをネットに突き刺し、幸先の良いスタートを切った」と技術を称賛。

 さらに「eldesmarque」は「久保建英は、これ以上ないデビューを飾った。

 また、ゴール以外でも、この日本人選手は素晴らしいパフォーマンスを見せた。すべてのボールを奪い合い、攻撃に関与していた」と大絶賛。さらに「昨シーズン、48本のシュートを放ち、1ゴールしかできなかった。しかし今シーズンはすでに1本目のシュートで1点を決めている」と、覚醒に太鼓判を押した。

「mundiario」は「クラブは、コート上でもロッカールームでもリーダー的存在になることを期待している」とクラブの久保への期待の大きさを伝えている。

 今夏、Rマドリードから移籍金650万ユーロ(約9億円)でRソシエダードに完全移籍。スペイン4季目で、カタールW杯が行われる今シーズンへ、意欲を見せていた。入団会見では過去3年間をふまえ「今までのラ・リーガの自分に慣れずに、違う段階に入っていけたらいい。もうひと段階上のプレーヤーになっていきたい」と決意表明。「(カタールW杯開幕の)11月までに低く見積もって2、3点は取って、数字を残したいなと思っています」と具体的な目標を掲げていた。

 開幕戦で早々に1得点を挙げたことで、軽々とクリアできる可能性が大。今後の活躍ががぜん楽しみになってきた。