歴史を見せる―。格闘技イベント「RIZIN.35」(17日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ)で、元極真空手世界王者の上田幹雄を相手に引退試合を行う〝世界のTK〟こと高阪剛(52)が心中を語った。

 1993年にリングスに入門。98年にはUFCに参戦するなど約30年にわたり日本格闘技界の歩みを見届けてきた大ベテランは「総合格闘技というものが確立されていない時代から勝つためにはどうしていくべきか(考えてやってきたこと)がベースになっている。時代に合わせてバージョンアップしたり、変化したりはしているけど根っこは変わっていない」と経験に胸を張る。相手は26歳年下で今回が総合格闘技デビューになる若武者だが「(自分にとっての試合は)〝果し合い〟の要素が強い。とにかく勝ちに行く。時代背景も思い浮かべながら見てくれると面白いんじゃないか」と不敵に笑った。

 最後にして初めて日本人のヘビー級選手と対戦することになったと苦笑いするも「自分よりも身長も高くて、体重も重いはず。極真空手の世界チャンピオンで身体能力や心の強さを持っている選手なんだと思う」と分析。その上で「自分のやりたいことをやり通す。起こったことに自分の体がどう反応してくれるかがポイントになると思う」と力を込めた。果たして、有終の美となるか。

 一方、対する上田は空手着に身を包み、気合十分で会見場に登場。「ヘビー級の歴史をつくってこられた人なので胸を借りるつもりで戦っていく。感謝と尊敬の意を持って倒したい。自分の強さ…イコール空手の強さを証明したい」と意気込んだ。