格闘技イベント「RIZIN.28」(13日、東京ドーム)で、極真会館の〝ブラックパンサー〟ベイノア(25)が弥益ドミネーター聡志戦で総合格闘技(MMA)デビューする。

 立ち技打撃格闘技「RISE」のウエルター級王者でお笑いコンビ「けとるべる」のボケ担当の空手家は、いったいどんな戦いを見せるのか。目標はUFC王者より人気番組「有吉君の正直さんぽ」(フジテレビ系)出演という、その素顔に迫った。

 ――MMAに挑戦しようと思ったきっかけは

 ベイノア 小学校の時からPRIDEが好きでテレビで見てきて、今RIZINを中心に総合格闘技が盛り上がっているので参戦したいと思っていました。それに「どんなルール、階級であろうが関係ない」というのは、空手をやっている中で思っていたことですし。

 ――空手を始めたのは

 ベイノア うちは父親が仕事の都合で基本的に米国にいて、数年に1回のペースでしか会えなかったんです。それで10歳の時、4年ぶりくらいに会ったら無理やり空手道場に連れていかれました。母親と姉と3人で過ごしていたので女々しい感じだったみたいで「こんな風に育っちゃったんだ…」みたいな。

 ――好きで始めたわけではなかったんですね

 ベイノア はい。それから小、中学校と日常の一部ではあったんですが好きでも嫌いでもなかったんです。それで、高校受験の時に半年離れたんですよ。そしたらすごく空手がやりたくなって「好きなんだな」って実感しました。

 ――どんな気持ちで試合に臨むのか

 ベイノア 昔は総合格闘技といえば柔道からも空手からもプロレスからもキックボクシングからも集まって「異種格闘技戦」をやるものだったんですよ。僕はその意識で臨みます。バックボーンの空手、キックというのを忘れないで強みを生かして戦いたい。

 ――過去のPRIDEやK―1が相当好きだったように感じる

 ベイノア 家でゴールデンタイムのK―1とかPRIDEを見て熱狂していたんで。テレビっ子だったんで、スポーツというよりエンタメとして楽しんでいた感じはあります。

 ――お笑いの調子は

 ベイノア そちらの活動は半年くらい、ほぼないですね。(格闘技で)こういうチャンスがあって専念しているっていうのもあるんですけど。でも相乗効果というか、それこそジャンルを問わないというか。自分の中で、芸人と格闘家の活動を分けていないんですよ。格闘技自体、エンターテインメントなんで。強さを追い求めて「ムエタイでルンピニーだ」とか「総合でUFCだ」とかよりは多くの人を楽しませたい気持ちの方が強いので。

 ――ではUFC王者とフジテレビでバラエティーのレギュラーならどっちがいいのか

 ベイノア それはもうフジテレビですね。UFC王者になればフジテレビに出られるかもしれないですけど、防衛戦で殺されるかもしれないですから。テレビに出て、自分がお世話になってきた空手を広めたいというのもあるんで。

 ――では地上波で試合が流れる可能性もある今回は大チャンスだ

 ベイノア むちゃくちゃアピールのチャンスですよね。勝てばテレビ進出も近づく? なるほど。ありますね。まずそっちからいきたいです。いい勝ち方をしていいマイクアピールをして、有吉(弘行)さんの「正直さんぽ」に声をかけてもらえたら最高です。UFCより正直さんぽです。

 ――最後に意気込みを

 ベイノア 今回の試合は賛否あると思います。(MMA)デビュー戦でいきなり(DEEPフェザー級の)元チャンピオンとやらせてもらうし、ドームだしみたいな。競技性とか体重とかルールとか考えても「え?」ってなるところがあるかもしれないですが、自分は、そこでやっていないというか。その「え?」っていう反響が大きければ、それも勝ちだと思っているので、それで見てもらって、いい試合になれば。必ずしもスポーツだと思ってやっていないので。より多くの人に見てもらって、良くも悪くも感じてもらえたらいいと思います、押忍。